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研修実績
「広州中医薬大学第一付属病院」での不妊症研修報告     2006年11月21日~25日
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行徳駅前店 薬剤師 増田雅子

平成18年11月21日~11月25日、広州中医薬大学第一付属病院にて不妊症・不育症の研修に参加してきました。
今回の研修のメインテーマは「不育症」。すなわち反復自然流産(習慣性流産)の病因や、その治療、安胎法について学んできました。誠心堂薬局に勤めて3年弱、お子様を切望される多くのお客様と接してきて、妊娠が「嬉しいこと」であると同時に大きな不安・恐怖の始まりだということを痛いほど知りました。待ち望んでやっと宿った命を失う悲しみを二度と味わいたくない、そんな思いで来店される方の多いこと。臨床経験はまだまだ未熟な私ではありますが、そんな方たちのお役に立てることを少しでも多く吸収してきたいという一心で研修に臨んで参りました。

病院での研修は、大きく分けて講義・病棟研修・外来研修がありました。講義と外来研修を担当してくださった婦人科の主任教授、羅頌平先生は、想像していたよりずっとお若い女性の先生でした。このような女性が不妊治療の権威として最前線でご活躍されていることは大変衝撃的で、また嬉しく思いました。(羅先生はチャイナビューNo.63に掲載されています。)先生は、同じく婦人科の名医であったお父様の羅元愷先生の生み出した経験処方を基にして臨床でご活躍されているとともに、その有効性の研究にも力を入れていらっしゃいます。臨床研究によって、いままで経験から素晴らしいものと思ってきた中医学の有効性を再認識でき、今まで以上に自信を持ってお客様にお伝えすることができます。漢方薬によって子宮内膜の状態が目に見えて良くなっている写真、黄体機能の改善例、また、安胎薬を服用して生まれた子供の追跡調査では、身体・知能の発達は問題ないどころか平均以上であったという結果は大変嬉しいものでした。この事実を多くのお客様にお伝えし、妊娠後も安心して漢方の服用を継続していただきたいと強く思いました。
また、流産予防には、弁証論治に基づいた適切な漢方薬の服用とともに、当たり前のことですがとにかく安静が絶対に必要です。症状が出てからでは遅い、「安静を持って胎動不安を予防する」という言葉が印象に残りました。病院治療のメリットは、入院してとにかく安静にできることです。実際、広州大医学部との協力体制ができており、体外受精後病院に入院させ、漢方服用して安胎するという方法で成功率を上げているそうです。私たちの薬局では妊娠後の生活はお客様に任せることになります。以下5点は中国の胎教とも言われているポイントで、当たり前のことですが大変重要であると思いました。
1、特に症状が出ている時はとにかく動かない
2、食事はあっさりしたものを。温燥性のものは摂り過ぎない。
3、リラックスを心がける。
4、房事を慎む。原則12週までは性行為をしない。
5、転倒に気をつける。
これら生活上の注意をアドバイスするとともに、不安を少しでも軽くしてあげることは、私たちの重要な役割です。知識・経験はもちろんですが、心配事があったときに何でも相談していただける信頼関係を築くことが何より大切だと思いました。その意味でも、カウンセリングを重要視した誠心堂の相談スタイルは本当に素晴らしいものだと改めて感じました。心の問題は、現代の病気、特に不妊症に関しては切り離せない問題であり、心の元気をとり戻してこそ薬の効果も十分に発揮されるのだと思うからです。

初めて見る外来診療は、患者さんの入れ替えから診察、処方を書いて送り出すまでが10分弱で、次々と診察が行われていきました。診察室の隅には順番を待つ患者さんが並び、私達は通訳される内容を必死でメモをとりつつも、同時に進んでいく診察の様子(舌や脈を診る様子)を見逃すまいと集中し、あっという間に時間が過ぎてしまいました。初診の患者さんでも最小限の問診から短時間で処方を決め、必要なアドバイスを的確にされて、どんどん診察をこなしていく様子には驚きました。話し方や外見からも多くの情報を読み取って体質を判断できる望診力、雑談の中からもその方の生活習慣や性格を理解し、生活上のアドバイスができる力は、日々の経験と努力が成し得る業です。
そして先生は、その限られた時間の中でも私たちにも舌の状態を見せてくださり、また時には脈を触らせていただき、大変勉強になりました。広州では、舌に歯痕が見られる方が比較的多いようですが、それは多湿な気候の影響だと教えてくださり納得しました。先生は地域と気候を考慮して薬を用いることが大切と考えておられ、人体を自然の一部と考える中医学の理論は理にかなっていると改めて感じました。

病院での研修を終えた3日目の夜、宿泊先のホテルのすぐ脇を流れる川で、大規模な花火大会がありました。約30分間で25万発を打ち上げるという規模は圧巻で、まさに息つく間もなく、水面から上空まで視界に入りきらないほど広がる鮮やかな花火と、体の奥に響いてくる音は、中国という大国とエネルギッシュな人々の様子を表しているかのようでした。
そして、日本各地からこの研修に参加された先生方も、花火にも負けないくらい実にエネルギッシュで輝いておられ、こんな方たちと交流を持てたこともこの研修の大きな収穫であったと感じていました。若い方から年配の方まで幅広い世代の方がいらっしゃいましたが、研修や歓談を通してどの方からもその圧倒されるまでの学習意欲と仕事への熱意が感じられました。私は、中医学という素晴らしい理論をもって、生涯を通じて、健康という面で人の役に立てるこの仕事につけたことを幸せに感じ、これからも日々研鑽していこうという気持ちを新たに帰国することができました。一人でも多くの方の健康と幸せのために頑張っていきたいと思います。






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