産後ケア
母乳じゃないとダメですか?

出産後、

授乳

ママになったと実感する行為として「母乳を上げる瞬間」と感じる方が多い一方、産後1か月目の不安になった出来事として「母乳について」と答える方がとても多いようです。


赤ちゃんもママも最初は不慣れな為、母乳がうまくあげられなかったり、うまく飲めなかったりと、母乳の量は必ずしも一定とはなりません。

そのため「赤ちゃんが上手に飲んでくれない」「量が足りているのか心配」などと、育児がスタートしたと同時に悩んでしまうママも少なくないようです。

授乳の悩みとしては、他にも「混合栄養にしたいけれど周囲から愛情不足と思われない?」といったお声があがります。


厚生労働省の調べ(※)によると妊娠中に、「ぜひ母乳で育てたいと思った」と回答した方の割合は 43.0%、「母乳が出れば母乳で育てたいと思った」と回答した方の割合は 50.4%と「母乳」に関する意識はとても高いようですね。

※厚生労働省 母乳育児 統計 調査概要(2)母乳育児に関する妊娠中の考えより


母乳育児を上手に行うためには、まずは赤ちゃんに吸ってもらう頻度を高めましょう。赤ちゃんの吸う力が強くなってくると母乳の量も出方も安定してくると言われています。

また、母乳は「白い血液」とも呼ばれていて、ママ自身に満ち足りた血液が必要ですし、さらに血液を母乳に変えるためのホルモンの分泌を促すために精神的な安定も重要となります。

昔の方は産後のひだちを良くするためお餅を食べたという説がありますが、現在では少し異なり、このような食材が良いとされています。

ま:豆類
ご:ゴマ
わ:わかめなどの海藻類
や:野菜
さ:魚(特に青魚)
し:シイタケ(きのこ類)
い:いも類

食材の頭文字から「ま・ご・わ・や・さ・し・い」と覚えてみてください。

鯖缶と大豆のトマト煮、カボチャと大豆とひじきの炊き合わせなどは、作り置きしておくと時間の無い時にさっと食べられて便利ですよ。

岡田先生の「私の育児体験」

育児体験

私は第一子を20代で出産しました。妊娠4か月から7か月頃まで悪阻が続き、決して楽しい妊婦生活ではありませんでしたが、とても安産で退院後の母乳の出も良く初めての育児を楽しめていたと思います。

ところが生後25日を過ぎたころ、赤ちゃんの顔色がおかしいなと感じ始めました。白目も黄色っぽい気がして1か月検診の際に先生に伝えると「これは母乳黄疸ぼにゅうおうだんかもしれないので今日から母乳をやめて人工栄養に切り替えて」とだけ告げられました。「母乳黄疸」なんて初めて聞くワードでしたし、医師の突然の言葉に「私のお腹で育ってきたのに私の母乳が合わないなんてどうして?」と戸惑いと言うよりも受け止めきれない思いが強かったです。

当時はインターネット環境も整っておらず、育児書に記載されていた「肝臓の働きが未熟な為みられる症状」と読み、知識不足から将来的に肝機能障害が起こるのではないかと不安は倍増。泣きながら哺乳瓶で授乳をしていたことを今でも思い出します。


人工栄養に切り替えていくと、みるみる顔色が戻り白目も透き通るような白色に。その後の検診では「将来的に肝機能障害がおこる確率は低い」と知らされ安心しました。その後は健康状態も順調で、今では立派に?お酒を楽しめるまでに育ってくれています(笑)。


私のように母乳は出るのに与えられない、ママが特定の薬を必要としているために母乳を与えられないなど授乳環境は出産年齢にかかわらずその方それぞれ。最近の人工栄養は栄養素も豊富で安全性や利便性も高いものが多いです。 母乳でも人工栄養でもママと赤ちゃんにとって必要な授乳法は何かを受け入れることが最も大切なことだと思います。

公開日:2022-10-25
更新日:2023-07-03