育児ケア
鼻水・鼻づまり

「赤ちゃんは鼻呼吸しかできないって知っていますか?」

鼻でしか呼吸ができない赤ちゃんは、鼻がつまったら大変です。 しかし赤ちゃんの鼻の穴はとても小さいうえに粘膜が弱く敏感で、少しの刺激に反応するため鼻水が出て詰まりやすいのです。


中医学では、鼻は「肺」と繋がっていて、「肺」は五臓六腑の中でも特にデリケートで脆い臓器とされています。肺のある場所は身体の中の臓腑のうち一番上に位置し、「外邪」を真っ先に感じ取るという役割があります。鼻水を出して外邪が身体に入るのを防いでいるのですね。風邪で寒さが身体に入ってしまった時に鼻水が出るのはこれが理由です。寒さだけでなく水分が上手く処理できない場合にも鼻水や鼻づまりは起こるとされています。体に必要なこととはいえ、赤ちゃんの鼻が詰まっているのは見ていて心配になりますし、放置していると寒さや不要な水分が身体にとどまってしまい、あまり良いことはありません。


どんどん寒くなるこの季節、繰り返したりいつも長引いてしまう…と悩んだ時には、ぜひお家でできるケアを試してみてください。

お家でのケア

部屋の管理

空気の乾燥が刺激となり、鼻づまりが悪化します。部屋に洗濯物を干したり、加湿器などを使って部屋の乾燥を防ぎましょう。


清潔に保つ

こまめに鼻水を拭く・鼻くそを取る

口で吸うタイプの鼻水吸引器は、吸う力に気を付けます。綿棒を使う時は鼻の粘膜を傷付けないように湿らせ、使用後はクリームやオイルなどを塗って保護しましょう。


鼻の周りを温める

鼻水が奥でかたまり、たれてこない場合は温めたタオルなどで鼻の周りを温めると鼻水が出やすくなります。タオルの温度を調節して、火傷には気を付けましょう。


母乳・ミルクは少しずつ

鼻がつまっていると上手く吸えないため、一度に多くの量を飲めなくなります。無理に飲ませず、様子を見ながら休み休みあげましょう。授乳前に鼻水をとってあげるといいですね。


お風呂でしっかり温まる

冷えが原因の場合は、温めることで改善することができます。鼻周辺だけでなく身体も温まると効果が持続します。また、寝る前に温めれば寝にくい状態を軽減できるでしょう。




小児推拿しょうにすいな

小児推拿を行う際のポイント

1
肌トラブルがある箇所には行わない。
2
書かれた順番にこだわらず、触れる箇所から行う。
3
赤ちゃんの機嫌が良い時に、マッサージをする人もゆったりとした気持ちで行う。
清潔に保つ

顔のツボ…鼻水を抑え、鼻を通しやすくします

1. 開天門かい・てんもん 50回
眉間から髪の生え際に向かって、両手の親指で交互に素早く撫でます。

2. 推坎宮すい・かんきゅう 50回
眉間から眉尻に向かって眉毛に沿って両手の親指で同時に撫でます。

3. 揉迎香じゅう・げいこう 50回
指をVの字にして、人差し指と中指を鼻の穴のふくらみのすぐ横にあて、優しく揉みます。



手のツボ…体質改善につなげます

4. 清肺経せい・はいけい 200回
薬指を指の付け根から指先に向かって素早く撫でます。肺を助けて、外邪を追い出します。

5. 補脾経ほ・ひけい 300回
親指の外側を指先から掌に向けて素早く撫でます。身体の余分な水分を処理する力を助けます。



※注意点


・鼻水の量が増えた
・鼻水の色が緑色や濃い黄色になった
・母乳orミルクを飲む量がいつもよりも半分近く減った
・その他の症状(発熱・呼吸が苦しそう・咳・下痢など)がある

上に当てはまるものがあると、風邪が悪化していたり、副鼻腔炎や中耳炎の可能性があります。自宅でのケアではなく、まずは、かかりつけのお医者さんに相談してください。


公開日:2022-11-14
更新日:2023-12-06

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