育児ケア
咳嗽がいそう

「寒くなって乾燥すると出やすい
『せき』について」

呼吸をする主役となる「肺」は、中医学では身体に取り入れた気を下へ降ろしたり上へ昇らせたりして気を巡らせるのにも重要な役割を果たしています。 そして寒くなったり乾燥したりといった、ちょっとした変化で乱れやすい臓腑でもあります。


下へ降ろす力が弱まって上にばかり昇ってしまうと、咳として症状が出てしまうのです。 特に赤ちゃんは身体を守るエネルギーである「衛気えき」も弱く、寒さや乾燥の影響を受けやすいので、外邪がいじゃ(外的環境による負担)にさらさないことが大切です。

お家でできる対策

部屋の湿度を保つ

エアコンをつけ始めるこの季節、すぐに暖まりますが、同時に乾燥もします。 加湿器を使ったり、ぬれたタオルや洗濯物を干したり、湿度を保ちましょう。


部屋を清潔にする

乾燥すると埃が舞いやすく、埃が刺激となって咳がでやすくなってしまいます。


こまめに水分をとる

喉が乾燥しないように、こまめに水分をとりましょう。数口でもよいので、白湯やお茶などで口の中を潤してあげましょう。


寝室や寝る環境を見直す

寝るとき、冷やしてはいけないからと厚着しすぎではないでしょうか?汗をかくくらい着せてしまうと、逆に冷えるので注意しましょう。 また、日中過ごしているリビングは暖かくても、寝るために移動してきた寝室が寒いことも。寒暖差は喉の刺激となるので、部屋の温度差も注意が必要です。


夜眠れない時は

縦抱っこ

咳で上手く眠れず、泣いてしまう時は「横抱っこ」よりも「縦抱っこ」をしてあげましょう。 寝かせるときは上半身にタオルなどを敷いて少し起こした状態だと、呼吸がしやすくなります。 また、「一日のリズム」にこだわりすぎず、朝寝や昼寝をさせてあげましょう。夜に付き添っている人も一緒にお昼寝できれば理想的ですね。


梨ジュースがおすすめ

梨には肺を潤す作用があります。 辛い物や味の濃いものは避けましょう。 喉に良いとされるハチミツは1歳未満には与えないように注意が必要です。




小児推拿しょうにすいな

小児推拿を行う際のポイント

1
肌トラブルがある箇所には行わない。
2
書かれた順番にこだわらず、触れる箇所から行う。
3
赤ちゃんの機嫌が良い時に、マッサージをする人もゆったりとした気持ちで行う。
4
「さする」の手技を行う際は、ベビーパウダーやベビーオイルを使いましょう。何もつけずに行うと皮膚を傷付ける可能性があります。お風呂上りにいつも使っている保湿剤などでもいいですよ。
5
基本的に小児推拿は肌に直接触れて行います。ただ、家庭で行う分であれば寒い時期に無理に服を脱がせるよりは、服の上からの刺激でも充分です。できる範囲で行いましょう。
清潔に保つ

肺の働きを助け、気を降ろして咳を鎮めます。また胸を開いて呼吸を楽にすることもできます。

1. 揉肺兪じゅう・はいゆ 50回
第3胸椎の両脇(おおよそ肩甲骨の内側の上端)を親指で優しく揉みます。

2. 清肺経せい・はいけい 100回
薬指の掌側を指の付け根から指先に向かって素早く撫でます。

3. 分推肩甲骨ぶんすい・けんこうこつ 50回
肩甲骨の内側を上から下に向かって親指でさすります。

4. 分推膻中ぶんすい・だんちゅう 20回
胸の中央から乳頭まで、左右に開くように親指でさすります。

5. 運内八卦うん・ないはっけ 50回
掌を円を描くように時計回りにさすります。




夜間、寝ていて咳が出ている時でも行って大丈夫です。 寝ていて身体を動かせない時は指の肺経だけさすったり、姿勢によっては背中を上から下へさすってもいいですね。




公開日:2022-12-09
更新日:2023-12-06

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