中医学で考える産後ケア~7つのポイント【清】~
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目次
- 2つめは【清:せい】
- 中医学で考える悪露
- 予防
- 対策
2つめは【清:せい】
悪露をきれいに排出する
悪露とは?!
出産で剥がれ落ちた内膜や胎盤、傷からの分泌物を含んだ子宮からの出血です。
出産直後から3~4日目までは量が多く赤い色をしています。
その後、子宮の収縮に伴って止血され、徐々に量が減って茶褐色になり順調に回復した場合、4週間頃には白色無臭になります。
悪露の量や色は産後のカラダと子宮の回復が順調かどうか判断する重要な手がかりです。
中医学で考える悪露
中医学では、悪露の排出はカラダのエネルギーである「気」が関係しています。
産後、「気」が不足しやすくなり(気虚)、子宮内の老廃物を出し切れなくなると、「瘀血:おけつ」といって塊や痛みが生じやすい体質となります。
子宮は冷えると悪露が出にくくなります。子宮をきれいにするためにもカラダを温かくして無理をせずに過ごしましょう。
◎予防
・温かい食事を摂る
乾姜といって生姜を蒸して乾燥させたものは、生姜よりも温める力が強いです。
生姜パウダーとしても売られていますので、紅茶にいれたり、スープに入れたりすると手軽に摂れます。
・カラダを冷やさない
長袖長ズボンで、靴下を履きましょう。
寝るときはレッグウォーマーがおすすめです。
・授乳をする
授乳することで子宮収縮が促されます。
◎対策
・気虚の方におすすめ
気を補う漢方薬
帰脾湯、補中益気湯など
気を補う食材
米、かぼちゃ、山芋、栗、なつめ、きのこ類、鶏肉など
・瘀血の方におすすめ
血を補う漢方薬
田七末、芎帰調血飲など
血を補う食材
ほうれん草、にんじん、レーズン、プルーン、鶏肉など
※漢方薬の服用や、ご自分がどのような体質かについては専門家とご相談ください。
赤い悪露が2週間経っても続いている場合、子宮復古不全を疑います。
原因としては、何らかの障害物による器質的なものと、子宮が収縮できない機能的なものがあります。
器質的には、子宮内膜に胎盤や卵膜の遺残がある場合が多く、エコーで遺残が見られる場合には子宮内除去術を行います。
感染症がみられる場合には、抗菌剤が処方されます。
また機能的に、多胎妊娠や羊水過多、遅延分娩などで子宮全体が収縮できない場合、子宮収縮薬が処方されます。
赤い悪露が続く場合は、1ヵ月検診を待たずに産科に相談しましょう。
公開日:2024-04-19
更新日:2024-04-19