中医学で考える産後ケア~7つのポイント【通】~
3つめは【通:つう】
悪露をきれいに排出する
気血の巡りをよくし、乳腺炎や便秘といった詰まりを防ぐ
気血とは、「気」と「血」のことで、「気」は生命活動のエネルギー源であり、臓腑や組織の新陳代謝にかかわっています。
「血」は臓腑や組織の栄養であり、全身を巡ることで、栄養を供給します。
妊娠や出産、産後の環境変化や育児のプレッシャーにより、これらの量が減り、流れが悪化すると、産後の体調不良を招きます。
乳腺炎とは?!
「乳腺炎」は、乳汁を分泌する乳腺で炎症が起きる病気で、乳腺や乳汁の通り道である乳管に細菌が感染して起こる「化膿性乳腺炎」と、乳腺の中に乳汁が溜まって滞ることから起こる「うっ滞性乳腺炎」の2種類があります。
「化膿性乳腺炎」は、授乳時にできた赤ちゃんの噛傷や乳房に出来た傷から細菌が感染することにより起こります。
悪寒、ふるえを伴う38℃以上の高熱や、乳房の腫れや激しい痛みを伴います。
「うっ滞性乳腺炎」は、乳房が赤く腫れる・硬くなる・押すと痛みがある・乳首は熱感を伴う等の症状があります。
まだ細菌感染を起こしてない状態で、細菌感染が起こると「化膿性乳腺炎」に移行する恐れもあるので、ここできちんとケアすることが望まれます。
母乳の残ったものが炎症を引き起こす原因となるので、授乳後は出し切るようにしましょう。
もしも乳房がパンパンに張っている、授乳する時に痛みがあるなど自覚症状がある場合は、悪化させないためにも早めの対処が必要です。
乳腺炎の原因
乳腺炎の一般的な原因は
乳腺炎の一般的な原因は
- ・脂っこいものや味の濃いものの食べ過ぎ
- ・甘いものの摂りすぎ
- ・授乳時の赤ちゃんの噛み傷
中医学では、「気」「血」の流れが悪いことで起こることもあります。
「気」「血」の流れをよくする食材を摂ることを意識してみましょう。
「気」「血」の流れをよくする食材
そば、しそ、玉ねぎ、三つ葉、みょうが、菜の花、ニラ、バジル、ふき、金柑、みかん、ゆずの皮、きんもくせい、バラ、ラベンダー、黒米、黒豆、納豆、プルーン、黒糖、さんま、さば、ししゃも、鮭、赤貝、味噌、酢
産後に気を付けたい便秘
便秘には食物繊維をしっかり摂ることをおすすめします。
食物繊維を多く含む食材
大麦押し麦、きな粉、オートミール、ピュアココア、あずき、プルーン、イチジク、ニンニク、ゆり根、納豆、ごぼう、切り干し大根、白きくらげ、らっきょう
◎管理栄養士がお勧めするレシピ
間食するなら食物繊維が多いもの、甘さ控えめのもの
簡単おやつオートミールクッキー
◆材料(30cm×30cm天板1枚分)
- オートミール 130g
- 米粉 60g
- マーマレードジャム 大さじ1.5
- ドライプルーン 3個→1cm角に切る
- 黒糖 大さじ2
- 卵 1個→溶く
- サラダ油 40g
- 塩 1つまみ
◆作り方
- ① オーブンを180℃に予熱する。
- ② ポリ袋に材料をすべて入れ、よく混ぜる。
- ③ めん棒などで、袋の上から5㎜厚位に伸ばす。
-
④ ③をクッキングシートに広げる。(包丁で軽く切れ目を入れておくと後で切りやすい)
- ⑤ ④を180℃のオーブンで12分焼く。
- ⑥ ⑤を熱いうちに切り分ける。
☆オートミールは離乳食中期から使用できるため常備しておくと便利です。
簡単に赤ちゃんのためのお粥ができますよ。
その際は「クイックタイプ」といって、蒸したあとローラーなどでつぶした、細かくなったりしているのものを選ぶとよいです。
公開日:2024-04-26
更新日:2024-04-26