産後ケア
乗り越えよう!
産後クライシス
産後鬱や体調不良とは別に、「産後クライシス」で悩んでいる方が増えているようです。
産後クライシスとは?
出産後に夫婦関係が急に悪くなる現象のことで、どの家庭にも生じる可能性があります。出産後~2歳くらいまでは精神的・肉体的に母親側の負担がとても大きい時期です。
この時期に夫が育児や家事に対する協力が無かったり、意見が食い違うと妻は夫にストレスを感じてしまうのです。
夫は妻が子供にばかり目を向け孤独を感じ、妻がイライラやストレスをむき出しにしてくるため、家ではくつろげない等のストレスを感じているようです。
育児生活に関して一定期間において夫婦が分かり合えないのはよくある事です。産後の環境の変化において、お互い口には出さないまでも、相手に対する不安や不満がある事は珍しい事ではありません。
もしかして産後クライシス?
【女性側】
*些細な事でイライラして夫に攻撃的になる
*夫への不満が増える
*夫に愛情を感じなくなる
*夫との触れ合いが苦痛に感じる
*夫からの愛情を感じられない
【男性側】
*妻が自分に関心を示さなくなる
*妻が攻撃的になり家でくつろげる場所がない
*育児に慣れるまでに時間がかかり必要とされていないと感じる
このようにお互いに何らかの苦痛を感じて不満を溜め込んでしまい、愛情が失われていく現象が「産後クライシス」というものです。
産後クライシスを打破する
「5つの対策」
1:妊娠中からのコミュニケーション
出産後は赤ちゃんが中心の生活となり毎日があっという間に過ぎていきます。そんな中で育児の方針などを考える事は難しいですね。
毎日の過ごし方・役割分担などは妊娠中にある程度話しておくことが必要です。
2:お互いへの思いやり
産後クライシスでの大きな原因は「コミュニケーション不足」です。
小さな命を守る事に気を取られ、お互いへの心配りが後回しになってしまいがち。
ほんの一言で良いので感謝の気持ちを言葉にしましょう。
言葉で伝えることに抵抗がある、時間がないという場合は手紙やメールなどでも構いません。
産後のデリケートな期間に減ってしまうコミュニケーションの回復に役立つ事でしょう。
「ありがとう!お疲れ様」を日頃から言葉に出来るよう癖をつけると良いですね。
3:お願いするときは具体的に
「オムツお願い」
→「オムツを変えてほしい」
「ミルクお願い」
→「ミルクを○○㎖作って飲ませたらゲップさせてね」
「洗濯物お願い」
→「洗濯物を取り込んでたたんでほしい」
などです。
「そこまでしないと察してくれないの?」と思う方もいるでしょうが、察してもらうのではなく、きちんと言葉にして頼むことで結果に対してのずれも無く、ストレスも生まれません。
さらに「助かったわ。ありがとう!」の言葉を付け加えると喜んでもらえるのが嬉しくて、率先して手伝ってくれることもあります。
4:夫婦だけで乗り越えようとしない
誰しも初めて赤ちゃんを迎え入れた時は未経験の状態です。分からないことだらけで不安も多い事でしょう。遠慮せずに、家族、友人、専門家など周囲を頼りましょう。
5:何でも完璧にやろうと思わない
まじめで几帳面、職場でもリスクマネジメントを徹底してしまう方は産後クライシスに陥りやすいようです。
産後はただでさえ身体に負担がかかっているにも関わらず、育児と家事を完璧にこなそうとするあまり大量にタスクが増え、ストレスや疲労が蓄積し相手に対して思いやる余裕がなくなってしまいます。
赤ちゃんの身の安全は守らなくてはなりませんがそれ以外の事に関しては完璧にやろうとせずに、誰に頼んでもOKくらい大雑把にとらえてみてはいかがでしょう。
たまには自分一人の時間やご夫婦の気分転換も必要です。
実家に赤ちゃんをお願いしてみたりベビーシッターや託児所などを利用してリフレッシュしてみて下さいね。
まとめ
産後クライシスは、パートナーへの大きな期待が原因になることもあります。
どちらが大変と思わずに、初めての育児を一緒に楽しめる関係性を築いてくださいね。
産後は精神的にも肉体的にも疲弊してしまいがち。
更に悩みを一人で抱え込んでしまうケースがとても多く、周囲も赤ちゃん中心になるため気づいた時には深刻な状態になっていることが少なくありません。
漢方相談では妊娠中から健康状態のサポートを行い、産後も身体の不調はもちろん、愚痴やお悩みなどお話を伺い、必要であればアドバイスもしています。
産後の体のことを含めて、ぜひご相談ください。
赤ちゃんを迎え入れた環境が明るく健やかでありますように願っています。
更新日:2023-06-24