産後の不眠症
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目次
- 眠りたいのに眠れない。「産後の不眠症」
- 産後ママはどうして不眠症になりがちなの?
- 1)生活スタイルの変化
- 2)ホルモンバランスの乱れ
- 3)ストレス
- 産後の寝不足を乗りきるポイント
- 中医学での産後の不眠症の考え方
- 産後の「抜け毛や白髪」養生のポイント
眠りたいのに眠れない。「産後の不眠症」
「体は疲れているのに、気持ちが高ぶって眠れない」
「やることが沢山あってそわそわして眠れない」
「眠りたいのに、なんだか眠るための元気もない」
産後は気力も体力も消耗していて疲れているのにもかかわらず、なかなか寝付けないことがあります。眠ろうとしても頭が興奮状態で眠れず、眠れてもなんだか頭がすっきりしない。体のため少しでも寝たいのに、眠れないことがストレスになり、さらに眠れなくなるといった悪循環は本当には辛いものです。この産後の不眠症は、産後トラブルの代表です。
育児を楽しめる心と身体作りのためにも、産後の不眠症はなるべく早く解決したいものです。
産後ママはどうして不眠症になりがちなの?
妊娠中はお腹の大きさや重さのため、不眠に陥る女性が多いのですが、出産して身軽になったはずなのにどうして眠れないの?育児で疲れた分、体は睡眠を欲しているはずなのに?
この「産後の不眠」の原因は大きく分けると3つあります。
1)生活スタイルの変化
産後は、授乳や夜泣きなど、赤ちゃんを中心とした生活が始まります。体へのダメージや疲労を回復する間もなく、育児と日常生活を両立する中で、寝不足になるママが多いものです。睡眠のリズムが狂うことで、不眠症のリスクも増えていきます。
2)ホルモンバランスの乱れ
妊娠・出産のプロセスの中で、女性ホルモンのバランスは大きく変化します。特に、出産後はエストロゲンの量が急激に減少するので、ホルモンバランスは乱れがちに。ホルモンバランスが乱れることで睡眠に影響を及ぼす可能性があります。
3)ストレス
生活スタイルの変化や慣れない育児によるストレスから、寝つきが悪くなる傾向があります。眠れないことへの不安が更に緊張とストレスを招き、自律神経の乱れに繋がり、不眠を引き起こします。
産後の寝不足を乗りきるポイント
産後のママの疲れを溜めないためにも、「赤ちゃんの生活リズム」を作ることはたいせつです。朝は太陽の光を取り入れ、赤ちゃんに起きてもらい、夜は決まった時間に明かりを消して眠るようにすると、赤ちゃんの生活リズムも整いやすいでしょう。寝不足解消のためには、授乳の間隔を開けると、その間にママは休めます。一度の授乳時に赤ちゃんにしっかりと飲んでもらうと、3~4時間は眠れるようになるので、ママも一緒に仮眠をとることができます。
家族にお願い出来ることは、ぜひ協力を求めましょう。ママの健康を守ることが、家族や赤ちゃんの健康にも繋がります。
「中医学での産後の不眠症の考え方」
眠るために必要なエネルギーとバランス
出産後の女性の体は、基本的にエネルギー不足に陥っています。
このエネルギーを中医学では「
質の良い睡眠のためには、この「エネルギー」と「陰陽のバランス」が大切なのです。
血の不足や滞りが招く不眠のお悩み
昔はよく「血の道症」という言葉が使われましたが、これは“血の不足や滞りから起こる女性特有の不調”のこと。婦人科系の疾患は、血に関係しているといっても過言ではなく、出産にもこの「血」が大きく関ります。
出産時には多くの血液が使われ、また産後は子宮を元の状態に戻すために、またたくさんの血液が必要になります。
睡眠と血のかかわり
漢方では、気・血・津液という物質が体を動かす動作、思考・感情といった精神活動、内臓や経絡といってあらゆる器官の働きに関与しています。特に血は、全身を栄養し潤す物質であり、体や内蔵はもちろんのこと、精神活動をも支える物質です。血が十分にある、「
産後の不眠症に悩まないために
ストレスや朝と夜のバランスが崩れることが原因となり、夜になっても、頭や手足にめぐった血が体内に戻れなくなると、寝つきが悪くなったり、寝ようとしても眠れないなど、睡眠のお悩みに繋がるわけです。
こういった考え方に基づき、中医学では産後の不眠症に対して、血を補い、体のバランスを元に戻すことを目指します。
産後の「不眠症」養生のポイント
前述のように、産後の不眠症の回復には「血」と「陰陽のバランス」が鍵となります。
「血」の量が少なくなり不足している状態を中医学では「血虚」と言い、栄養が末端まで行き渡らない状態をさします。普段の生活の中でできる養生をためしてみても解決できないようなら、一度きちんと専門家に相談してみるてはいかがでしょうか。
日常生活で心がけたい「眠りための養生法」
- 1
- 「しっかり食べる」 鉄分多いものや、赤・黒・黄など色の濃いものを摂りましょう
- 2
- 「あたためる(冷やさない)」 身体を温めストレスをなくし、血行をよくしましょう
- 3
- 「生活リズムを整える」 赤ちゃんと一緒に生活リズムを整えましょう
- 4
- 「呼吸を意識する」 腹式呼吸や深呼吸を意識して自律神経を整えましょう
併せて読んでほしいおススメコラム
・体質で考える「不眠症」
公開日:2023-4-28
更新日:2023-07-24