漢方薬で自律神経失調症と抗がん剤治療後遺症による頭痛を改善した16歳男性の体験談
2年前に急性リンパ性白血病と診断され、1年間の入院と抗がん剤治療を受けた後、体調は安定していました。
しかし、新学期が始まった頃から頭痛が頻発し、西洋薬が効かず不登校気味に。
文化祭の疲れも重なり体調がさらに悪化したため、心配したご両親とともに漢方相談を受けました。
初回相談時の状況
主な症状
頭痛(頻発、ロキソニン等が効かない)
悪心(吐き気)
不眠(4~5時間の短い睡眠)
顔と胸の大きな赤ニキビ
疲れやすさ、体調の崩れやすさ
快便だがたまに軟便
弁証と方針
弁証:肝鬱脾虚(ストレスと脾胃の弱りによる不調)、気血不和(気と血の巡りが悪い)
治法:疏肝解鬱・補気健脾(気の巡りを整え、胃腸をサポート)、頭痛と悪心を緩和
お勧めされた漢方薬:
抑肝散加陳皮半夏湯:自律神経の乱れを整え頭痛を緩和
香砂六君子湯:胃腸の調子を整え、体力を回復
婦人宝:気血を補い体全体を元気に
活蘇源:免疫力や体力をサポート
牛車腎気丸:腎を補い、体全体のバランスを整える
経過と結果
1回目(開始後2週間)
頭痛の頻度が減少。西洋薬の併用が減り、夜間尿も減少。
睡眠時間が少しずつ増える。
3回目(転校を決意)
不登校が続き留年が確定したため、転校を選択。
環境を変えることで気持ちが楽になり、頭痛の頻度もさらに減少。
自律神経の乱れが主な原因であることを受け入れられるように。
その後(6か月後)
気圧や環境の変化で頭痛が出ることはあるが、短期間で治まるようになる。
漢方薬の服用とともに日常生活に取り入れる運動や食生活改善も進める。
9回目(尿酸値改善)
尿酸値が7.6と指摘され、活蘇源を追加。2本飲み終えた後、尿酸値が6.8に下がる。
頭痛の頻度がさらに減少。煎じ薬からエキス剤への切り替えを始める。
14回目(終了時)
頭痛の頻度が激減し、学校にもほぼ毎日通えるようになる。
バイトを始め、生活に張りが出てくる。
尿酸値も正常範囲内に安定。28日分のエキス剤を用意し終了。
体験を通じて感じたこと
漢方薬によるアプローチは、頭痛だけでなく、体全体の調子を整えてくれることを実感しました。
転校による環境の変化や体質改善が進む中で、心身ともに健康を取り戻すことができました。
抗がん剤治療の後遺症や自律神経の乱れで悩む方には、専門家に相談し、自分に合った漢方薬を試してみることをおすすめします。