薬草辞典-か行
柴胡
[基原]セリ科ミシマサイコなどの根。
[性・味]微寒・苦・辛
[帰経]肝・胆
[用法]3~10g。退熱には多量(10~15g)を,疏泄や升陽には少量(3~5g)を使用する。醋炒柴胡は疏肝解鬱に,生柴胡は退熱作用に優れる。
陽気 を引き上げ,気 を巡らせ,鬱熱 を去る。葛根 より昇陽 作用に優れる。
解表退熱 |
気を巡らせて(疏泄),鬱熱を発散し取り除く(退熱)。軽度の発汗作用もある。 |
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疏肝解鬱 |
肝気をよく伸びやかに巡らせ,気滞を除く。肝気鬱結のための胸腹部痞満・季肋部脹満痛・乳房のしこり・経前乳房脹満・抑鬱気分・焦燥感・月経不調・月経痛などに使用される。 |
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昇堤陽気 |
清陽の気を上らせることで,下に墜ちた気(下陥の気)を引き上げる。 脾虚中気下陥証による脱肛・子宮脱・慢性の下痢・めまい・立ちくらみ・下垂感・ 倦怠感・息切れ・頻尿・ほてり感などに使用される。升麻・黄者・人参・白朮・芍薬などと用いる。〔代表方剤:補中益気湯,昇陥湯,乙字湯〕。 |
[注意点]昇散の性質が強く,陰や気を消耗しやすい。そのため過度の陰虚証や陰虚火旺証,肝陽上充証,気逆証には禁忌。また,適時滋陰補血薬や柔肝薬(白芍・ 当帰など)を配合すべきである。
(管理No.01-051)
細辛
[基原]〕ウマノスズクサ科ウスバサイシンの全草(中国),または根および根茎(日本)
[性・味]温・辛
[帰経]肺・腎・心
[用法]1~3g。“辛は銭(3g)を過ぎず”といわれ多量には使用しない。散剤・外用も可。藜芦と相反。
よく寒飲 を温め去る。辛性 で走性が強く,祛風 し散寒 止痛し水飲 を去る。乾姜 と比べ止痛作用に優れる。
祛風散寒・止痛 |
よく風寒を温め散じ止痛する。寒性疼痛の常用薬。
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温肺化飲 |
肺中の寒飲(寒飲伏肺)を温めて除去する。乾姜と同様だが,薬カはより優れる。寒飲伏肺の呼吸困難・水様性多痰・咳嗽・背部や四肢の冷感・白滑苔などに使用される。乾姜・麻黄・五味子・杏仁などと用いる。〔代表方剤:小青竜湯,苓甘姜味辛夏仁湯,苓甘五味姜辛湯〕。 |
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宣通鼻窮 |
辛性で走竄性があり鼻腔(鼻窮)に入り,温めて湿邪を除き閉塞した鼻腔を通じさせる(宣通)。 |
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風火歯痛 |
清熱瀉火薬を配合して,熱証の歯痛・舌炎・ロ内炎などにも使用さ
れる。 |
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他 |
浮熱を散じる作用もあり,外感風寒・外寒内熱・裏熱証・陰虚などの熱による咽頭痛に使用される。 |
[注意点]辛性が強く,気や陰液を消耗しやすい。気血両虚証・陰虚証には禁忌。
(管理No.01-052)
山楂子
[基原]バラ科オウミサンザシやサンザシの成熟果実。
[別名]酸楂
[性・味]微温・酸・甘
[帰経]脾・胃・肝
[用法]5~10g。炒山楂子は消食,生山楂子は活血作用にそれぞれ優れる。
肉類の消化作用に優れ,活血 作用 を有する消食薬 。
消食化積 |
消化を促進し,下痢を止める。特に肉類や脂肪,母乳の消化作用に優れる。肉・脂肪類などの食積によるもたれ・胃部や腹部脹満感(痛)・下痢,母乳の消化不良(乳積)による下痢,慢性下痢などに使用される。単味の服用も
可。 |
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活血化瘀 |
血分に作用し活血して瘀血を散じる。新血の産生を妨げないとされる。産後の瘀血腹痛や悪露停滞 ・瘀血の月経失調や月経痛,さらには肝などの腫瘍に使用される。当帰・川芎・益母草・紅花・烏薬などと用いる。〔代表方剤:帰芎山楂湯,通瘀煎〕。 |
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他 |
(1)仙気痛・陰嚢腫大などに使用される。小茴香・橘核などと用いる。
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[注意点]多食で歯を痛めるので,齲歯には多量に使用しない。
(管理No.01-053)
山梔子
[基原]アカネ科クチナシなどの成熟果実。
[性・味]寒・苦
[帰経]心・肺・肝・胃・三焦
[用法]5~10g。外用も可。生山梔子は清熱瀉火作用に,焦炭山梔子は涼血止血作用に優れる。焦山栖子は苦寒の性質が弱まる。
瀉火除煩 作用があり,特に清心肝火 作用に優れる。夏枯草 や竜胆 の二薬に比べ,広範囲な実熱証 に使用され,利湿 ・涼血止血 作用を有する。
清熱瀉火 ・除煩 |
鬱熱を冷まし取り去り,煩躁を除き,解毒する。“三焦の熱を冷ます”といわれ,広範囲の実熱証に使用されるが,特に心・肝の火をよく冷
ます。
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清熱利湿 |
利尿作用があり熱を小便より排泄する
。燥性はあまり強くない。湿熱の黄疸や膀胱湿熱の熱淋に使用される。 |
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涼血止血 |
止血作用があり,血熱による吐血・鼻出血・血尿や温病血分証の皮下出血などに使用される。生地黄・牡丹皮・大薊・小薊・茅根などと用いる。〔代表方剤:十灰散〕。 |
[注意点]潤腸通便傾向があり,脾胃虚寒証や脾虚証の下痢・食欲不振などには禁忌。
(管理No.01-054)
山茱萸
[基原]ミズキ科サンシュユの成熟果肉。
[別名]棗皮
[性・味]微温・酸・澁
[帰経]肝・腎
[用法]5~10g。亡陽などの重症には多量(~30g) に使用してもよい。
補肝腎 の代表薬。枸杞子 とよく同時に配合される。収斂作用を有する。
補肝腎陰 |
肝血と腎精を滋養する。補肝陰作用に優れるが,微温性であり腎精の補充を通して腎陽をも補う。肝腎陰虚のめまい・頭重・腰下肢倦怠感・耳鳴や陰陽両虚証の尿失禁・陽萎・遣精などに使用される。また肝腎陰虚の骨蒸潮熱などにも用いられる。 |
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収斂固澁 |
良好な収斂固澁作用を有する。主に下焦の滑脱症に使用される。
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[注意点]収斂作用があり湿熱証や小便不利,実証には慎重に使用する。
(管理No.01-055)
山薬
[基原]ヤマイモ科ナガイモの根茎。
[別名]薯蕷
[性・味]平・甘
[帰経]脾・肺・腎
[用法]10~30g。粉末の服用(6~10g/回)や多量(60~200g)も可。生山薬は補陰に,炒山薬は健脾止瀉作用に優れる。
補気 作用のほか,潤燥 作用と澁性 を有し,肺・腎の陰 も補う補気健脾薬 。白朮 に比べ,甘平性で潤性 があり肺腎陰虚 にも使用される。
補気健脾・ 養陰 |
脾胃の気を補いその機能を高めて補気する。潤性があり,脾気とともに脾陰も補い,また澁性がありよく止瀉・止帯する。
一般的な脾胃虚証に使用されるが,特に脾虚証の慢性下痢や配合薬により種々の帯下,小児の栄養不良などに使用される。
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補益肺陰 |
肺気を補うとともに肺陰をも補う。肺虚証,特に肺陰虚の慢性咳嗽・息切れ・軽度呼吸困難・少痰・無痰・粘性痰・少苔などに使用される。麦門冬・五味子・玄参・鶏内金などと用いる。〔代表方剤:資生湯〕。 |
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補腎陰 |
腎陰を補う。腎虚による遺精・頻尿・腰下肢倦怠無カ・めまい・ほてり・盗汗や白色帯下,消渇などに使用される。薬力は弱く他の補腎薬を配合する。 |
[注意点]養陰作用があり湿を助長しやすい。そのため脾胃湿証や食積には単独使用しない。実熱証には禁忌。
(管理No.01-056)
三棱
[基原]ミクリ科ミクリの塊根。
[性・味]平・苦・辛
[帰経]肝・脾
[用法]3~10g。醋炒三棱は止痛作用に優れる。作用が強く,正気の損傷を防ぐために益気補血薬を配合すべきである。
破血行気止痛 作用と消腫 作用を有する活血薬 。莪朮 と薬効が類似し,よくともに配合される。平性 であり,莪朮 に比べ活血力 に優れる。
破血行気 |
気血を巡らせ瘀血を除き,腫塊や結実を散じ,止痛する。強い活血作用(破血)を有し,同時に良好な行気作用を有する。気滞瘀血による腹部腫瘍(癥瘕・積聚)・
肝腫大・季肋部痛・腹痛・閉経・外傷打撲などに使用される。特に有形で実体のある腫瘍(癥・積)
に多用される。近年では子宮外妊娠の血腫にも使用される。 |
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行気消積 |
気を巡らせ鬱滞を除き止痛する。気滞が強い食積などによる腹部脹満痛
(感)・腹部痞塞悶絶感・噯気・呑酸・厚苔などに使用される。 |
[注意点]月経過多・妊婦には禁忌。
(管理No.01-057)
紫蘇葉
[基原]シソ科シソなどの葉。
[別名]紫蘇 ・蘇葉
[性・味]温・辛
[帰経]肺・脾・胃
[用法]3~10g。長時間煎じない。外用も可。
風寒 を散じ,気 を巡らせ肺や脾胃 の気滞 を去る。荊芥 に比べ,散寒力は強い。
発汗解表 |
発汗により風寒を散じて表証を治癒させる(解表)。穏やかな薬性で,最も一般的な辛温解表薬。風寒表証の悪寒発熱・頭痛・鼻閉・無汗などに使用される。発汗力は麻黄に次いで強い。
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行気和中 |
気を巡らせ脾胃の気滞を緩和し(寛中),脾胃の働きを伸びやかに調整し(和中),嘔吐を止める。脾胃気滞の胸悶・胃部の重苦しさやつかえ・悪心・
嘔吐などに使用される 。 |
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行気安胎 |
気を巡らせるとともに安胎(流産防止)作用もあり,妊娠性嘔吐な どに使用される。陳皮・白朮・砂仁・木香などと用いる。 |
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他 |
魚貝類や蟹の食中毒による下痢・腹痛・嘔吐などに用いられる。生姜・ 白朮・半夏などと用いる。 |
(管理No.01-058)
地膚子
[基原]アカザ科ホウキギの成熟果実。
[性・味]寒・甘・苦
[帰経]腎・膀胱
[用法]10~15g。外用も可。
皮膚や膀胱の湿熱 を去り,止痒する。
清熱利湿 |
よく利水し湿熱を冷まし除く 。湿熱の淋病(熱淋)の小便不利・ 排尿痛などに多用される。車前子・滑石・木通・瞿麦など用いる。〔代表方剤:地膚子湯〕。 |
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利湿止痒 |
皮膚の湿熱を除き止痒する 。
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(管理No.01-059)
地竜
[基原]ツリミミズ科カッショクツリミミズやフトミミズ科のミミズなどの乾燥体。
[別名]蚯蚓 ・土竜
[性・味]寒・鹹
[帰経]肝・脾・膀胱
[用法]5~15g。粉末(1~2g/回)や外用も可。
無毒で薬性は温和。全蠍 ・蜈蚣 より薬力は弱いが,虚実両証 に使用可能。寒性 で肝・肺・膀胱などの熱を下降させ,かつ通絡 作用を有する無毒で温和な清熱熄風 ・止痙薬 。
清熱・ 平肝熄風 |
熄風止痙作用とともに,邪を駆除し下降させ,かつよく熱を冷ます。高熱による煩躁・痙攣,肝陽上亢による頭痛・眼球結膜充血・めまい・熱性の狂状態などに使用される。単味の服用も可。 |
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清熱通絡 |
寒性で清熱とともに経絡を流暢にし(通利)止痛する。 |
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平喘 |
肺熱を冷まし呼吸困難を緩和する(平喘)。肺熱証の咳嗽・喘息・百日咳(頓咳)などに使用される。特に痰熱の多痰・呼吸困難や咳嗽に適する。肺熱証には,麻黄・杏仁・石膏・知母などと用いる。 |
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清熱利尿 |
鹹味で下降作用があり,清熱とともに利尿する。熱が膀胱に結んだ(熱結膀胱)ための淋病・小便不利・排尿痛・排尿困難などに使用される。特に熱淋に適する。単味の服用も可。車前子・木通・滑石などと用いる。 |
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他 |
(1)近年,降圧作用もあるとされる。石決明・夏枯草・黄芩・釣藤鈎などと用いる。
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[注意点]脾胃虚弱者や虚寒証には禁忌。
(管理No.01-060)
芍薬 (白芍薬)
[基原]ボタン科シャクヤクの栽培種根。
[性・味]微寒・苦・酸
[帰経]肝・脾
[用法]5~10g。重症や柔肝には多量に使用する(15~30g)。丸剤も可。炒白芍は補血に,生白芍は養陰・止汗・平肝に,醋炒白芍は止痛に,それぞれ優れる。酒炒白芍は寒性が弱くなる。
寒性 の補血滋陰薬 。滋陰とともによく柔肝平肝 して汗を止める。
養陰柔肝平肝 |
よく肝血肝陰を補う。微寒性であり血虚内熱に適する。 |
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柔肝緩急止痛 |
肝の陰血を補うこと(柔肝)で気を緩め,気滞を改善して止痛する。また止痢作用もある。肝血虚や肝陰不足に伴う肝気鬱結証の季肋部脹満痛
(感)・腹痛・月経前乳房脹満痛(感)・筋肉痙攣や疼痛・腹痛下痢などに使用される。 |
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斂陰収斂止汗 |
陰液を保持し汗の漏れを防ぐ。表虚証の盗汗・自汗に使用される。 |
[注意点]伝統的に藜芦とは相反。陽虚証には慎重に使用する。
(管理No.01-061)
沙参
[基原]キキョウ科トウシャジンやサイヨウシャジンなどの根。
[別名]南沙参
[性・味]寒・甘・微苦
[帰経]肺・胃
[用法]10~15g。丸・散剤にも使用可。
よく肺と胃の陰を補う。北沙参 に比べ養陰 作用そのものは弱いが,肺陰 の滋養には優れる。また化痰 作用を有する。
養陰清肺 |
肺をよく滋養し潤し肺熱を冷ます。同時に化痰して止咳す
る。肺燥証や肺陰虚証,肺熱,肺癆などに使用されるが,熱証を伴うものに適す
る。また表証にも使用可能。粘性で喀出困難な黄色少痰に多用される。そのほか,
乾咳粘性少痰や無痰・血痰・口燥感・ロ渇などに使用される。 |
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養胃生津 |
胃陰を補い津液をよみがえらせる。北沙参に比べ養胃作用は弱い。外感病後期や慢性疾患の胃陰虚証による口燥・嘈雑感・便秘・紅舌・無苔や少苔などに使用される。麦門冬・玉竹・石斛・生地黄などと用いる。〔代表方剤:益胃湯〕。 |
[注意点]伝統的に藜芦は禁忌。風寒や寒飲性の咳嗽,脾胃寒虚証には禁忌。
(管理No.01-062)
車前子
[基原]オオバコ科オオバコの成熟種子。
[性・味]寒・甘
[帰経]腎・肝・肺
[用法]5~10g。包煎。
寒性の利水滲湿薬 。熱淋 の重要薬。滑石 に比べ利水力に優れ,明目 ・清肺 作用を有する。
清熱利湿 |
寒性であり,下焦の湿熱を尿より排泄し除く。利水力に特に優れ,
湿熱による熱淋の排尿痛・褐色尿・頻尿・排尿困難などに多用される。また小便不利や浮腫などにも使用される。 |
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利湿止痢 |
利尿することで下痢を止める。湿邪の下痢に使用される。単味の服用も可。 |
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清肝明目 |
肝火を冷まし明目する。
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清肺化痰 |
肺熱を冷まし,痰を除き(化痰)咳嗽を緩和する。肺熱の咳嗽・黄色多痰などに使用される。杏仁・前胡・桔梗・貝母などと用いる。 |
(管理No.01-063)
十薬
[基原] ドクダミ科ドクダミの地上部。
[別名]魚腥草 ・重薬 ・蕺菜
[性・味]微寒・苦
[帰経]肺
[用法]10~30g。肺癰には多量(60~90g)に使用する。外用も可。揮発成分を含むため,長時間煎じるべきではない。
清熱利尿 作用を有する清肺薬 。
清肺解毒 |
肺の熱毒
を冷まし,膿を排泄する。肺癰や肺熱証(熱邪壅肺)による粘性黄色痰・膿性痰・血痰・胸痛・咳嗽などに使用される。 |
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消癰腫 |
瘡瘍の熱毒を冷まし縮小させる。皮膚化膿症・痔核・湿疹などに使用される。金銀花・野菊花・蒲公英・連翹などと用いる。 |
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清熱利尿 |
清熱利尿通淋作用があり,熱淋の排尿痛・頻尿・排尿困難などに使用される。石葦・金銭草・海金沙・車前子などと用いる。 |
(管理No.01-064)
熟地黄
[基原]ゴマノハグサ科ジオウやカイケイジオウの根を酒で蒸したもの。
[性・味]微温・甘
[帰経]肝・腎
[用法]10~30g。丸・散・膏剤にも使用可能。
補血滋陰 の重要薬。阿膠 に比べ,滋陰 に優れる。
補血 |
よく心肝の血虚を補い,一切の血虚証に使用される。血虚によるめまい・ 動悸・顔色不良・不眠・羸痩・月経後期・過少月経・閉経などに使用される。また不正性器出血(崩漏)などにも使用される。当帰・白芍薬・阿膠・川芎などと用いる。〔代表方剤:四物湯,芎帰調血飲 〕 |
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滋陰補精 |
腎陰を潤し補い腎精を生じさせる。滋補肝腎の代表薬。
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他 |
潤腸通便作用があり,腸燥便秘に使用される。通便力は弱く,他薬の補助薬として用いられる。麻子仁・杏仁・桃仁・阿膠・当帰などと用いる。〔代表方剤:潤腸湯〕 |
[注意点]粘膩性が強く,生地黄より消化を妨害しやすい。脾胃虚弱・湿証・気滞などの腹部脹満痛・食欲不振・下痢などには禁忌。胃障害の防止には,縮砂・陳皮・木香などを配合する。
(管理No.01-065)
縮砂
[基原]ショウガ科シュクシャミツの種子。
[別名]砂仁 ・陽春砂
[性・味]温・辛
[帰経]脾・胃
[用法]2~5g。砕いて煎じる。後下。多量には使用しない。
理気 作用に優れ,湿困脾胃気滞証 に多用される化湿薬 。安胎 作用のある温性化湿薬 。白豆蔲に比べ,行気 作用が強く止痛力・止痢力に優れる。
化湿行気 ・止痢 |
気を巡らせよく湿を除くことで,脾機能を活発にし胃機能を整える(醒脾和胃)。芳香性が強く,優れた化湿・行気作用を有し,温燥性・行気止痛カ・止痢力に優れる。中焦・下焦に作用し,湿困脾胃証や湿阻気滞証の胃部脹満(痛)・食欲不振・腹痛下痢(特に寒湿下痢)などに多用される。そのほか,食積証のもたれ・食欲不振・下痢,脾虚痰湿証の嘔吐・下痢などにも用いられる。また補益薬の胃腸障害防止にも使用される。 |
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行気安胎 |
行気和胃することで止嘔し,流産を防止する(安胎)。妊娠悪阻・胎動不安・流産防止に使用される。 |
[注意点]陰虚内熱証には禁忌。
(管理No.01-066)
生姜
[基原]ショウガ科ショウガの新鮮な根茎。
[性・味]微温・辛
[帰経]肺・脾・胃
[用法]3~10g。外用も可。絞り汁を服用してもよい。
解表 して中焦 を和す。解表 作用とともに脾胃 を温め整えて除湿し,よく止嘔する。
発汗解表 |
風寒表証で悪寒発熱・頭痛・鼻閉などに使用される。解表作用は弱く,主に他の辛温解表薬の補助薬として用いられる。〔代表方剤:桂枝湯〕。 |
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温中・止嘔 |
(1)胃を温め胃気を降ろし湿を除くことで,悪心・嘔吐を止める。そのため“嘔家の聖薬”といわれる。寒熱両証に使用可能。 |
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解毒 |
(1)半夏・天南星・附子・烏頭などの毒性や刺激性を緩和する。またこれらの薬物中毒に用いられる。また半夏・天南星などは,一般に生姜とともに炮製して毒性を中和後に使用されることが多い。 |
[注意点]温燥性があるため,陰虚内熱証・表虚自汗・胃陰虚の嘔吐には禁忌。
(管理No.01-067)
生地黄
[基原]ゴマノハグサ科カイケイジオウの根。
[性・味]寒・甘・苦
[帰経]心・肝・腎
[用法]10~30g。炒炭地黄は止血に優れる。
清熱滋陰 の重要薬。玄参 に比べ,涼血 ・滋陰養血 作用に優れ,止血作用を有する。陰血 不足と虚火 がある病態に広く使用される。
清熱涼血 |
温熱病営血証の高熱・意識障害・口渇・発疹・発班・絳色舌などに使用される。玄参・犀角・黄連・牡丹皮・赤芍薬などと用いる。〔代表方剤:清営湯〕。 |
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涼血止血 |
(1)清熱涼血することで止血する。血熱妄行のための吐血・尿血・鼻出血・血便・不正性器出血(崩漏)などに使用される。
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滋陰生津 |
陰分を滋養し,軽度ながら津液を潤す。
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[注意点]脾虚証による湿証や下痢には禁忌。
(管理No.01-068)
小麦
[基原]イネ科コムギの種子。
[性・味]微寒・甘
[帰経]心
[用法]30~60g。
益気 ・退熱 ・除煩 作用を有する斂汗薬 。浮小麦に比べ,養心除煩 作用に優れる。
養心除煩 |
心神を養い安定させる。心神不安による煩躁・焦燥・不安・不眠・臓躁証などに使用される。甘草・大棗などと用いる。〔代表方剤:甘麦大棗湯 〕。 |
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斂汗 |
心陰を滋養し熱を除き,糯稲根などと同様に皮膚を引き締め汗を止める。心の気陰不足による自汗・盗汗や陰虚による骨蒸潮熱などに使用される。 |
(管理No.01-069)
升麻
[基原]キンポウゲ科サラシナショウマやオオミツバショウなどの根茎。
[性・味]微寒・甘・辛
[帰経]脾・胃・肺
[用法]3~10g。炙升麻は昇提中気に優れる。
清熱解毒 作用を有する昇陽 薬。
発表透疹 |
風熱を発散し,さらに透疹する。だが,発表発散作用は弱く,主に麻疹の初期に使用される。生升麻を使用。葛根・芍薬・甘草などと用いる。〔代表方剤:升麻葛根湯〕。 |
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昇提中気 |
脾胃の陽気を引き上げる。 |
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清熱解毒 |
肺胃の熱を冷まし解毒する。
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[注意点]昇散の性質があり,陰虚火旺や咳嗽・喘息などの気逆証には禁忌。また麻疹後期には使用しない。
(管理No.01-070)
女貞子
[基原]モクセイ科トウネズミモチの成熟果実。
[性・味]涼・甘・苦
[帰経]肝・腎
[用法]10~15g。丸・膏剤,外用も可。
薬性が温和な補肝腎薬 。熟地黄 ・山茱萸 ・枸杞子 より補陰 作用は劣る。旱蓮草とともによく配合される〔二至丸〕。墨旱蓮 より補肝腎 作用に優れるが,止血作用はない。
補肝腎陰 |
肝腎の陰を補う。膩性が少なく作用は比較的温和。特に陰虚内熱のものに適する。
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[注意点]寒性であり脾胃虚寒証の下痢,陽虚証には禁忌。
(管理No.01-071)
辛夷
[基原]モクレン科モクレンやハクモクレン望春花などの花蕾。
[性・味]温・辛
[帰経]肺・胃
[用法]3~10g。外用も可。包煎。
鼻渊 の常用薬。解表薬 としてはあまり使用されない。蒼耳子 に比べ,通鼻作用は強いが解表力 は弱い。
通鼻・ 散風寒 |
鼻腔の通気を良好にする(通鼻)。鼻渊・鼻閉・粘性鼻汁・無臭,さらに風寒性の頭痛に多用される。寒熱両証に使用可能だが,特に風寒証の病態に適する。
①寒証鼻渊や頭痛には,細辛・防風・白芷・藁本などと用いる。〔代表方剤:葛根湯加川芎辛夷〕。 |
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[注意点]陰虚火旺には禁忌。
(管理No.01-072)
神麴
[基原]小麦粉や米の麩 に赤小豆粉,杏仁泥,蒼茸,青蒿などと混合し発酵させたもの。
[別名]六麴
[性・味]温・甘・辛
[帰経]脾・胃
[用法]6~12g。丸・散剤も可。炒焦神麴は消食和胃作用に優れる。
消食 作用とともに健脾和胃 を有する優れた消食薬 。
消食和胃 |
消化を促進するとともに脾胃機能を補助調整(健脾和胃)し,下痢を止める。特に澱粉類の消化作用に優れる 。
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(管理No.01-073)
赤芍
[基原]ボタン科ヤマシャクヤクの根。
[性・味]微寒・苦
[帰経]肝・脾
[用法]5~10g。
活血 作用も兼ねる清熱涼血薬 。血熱瘀血証 の常用薬。牡丹皮 とよく同時に配合される。牡丹皮 に比べ活血 作用に優れ,かつ止痛作用を有する。涼血 作用は牡丹皮 に比べやや劣る。
清熱涼血 |
血熱を冷まし,よく活血し,血熱の妄行を防ぐ。涼血作用は牡丹皮に比べやや劣る。以下の温病や雑病に使用される。
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活血止痛 |
血熱を冷まし瘀血を除き止痛する。疼痛を有する熱性瘀血によく適する。 |
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清肝瀉火 |
肝火を冷ます。 |
[注意点]虚寒証には禁忌。藜芦とは配合禁忌。
(管理No.01-074)
石菖根
[基原]サトイモ科セキショウの根茎。
[別名]菖蒲 ・石菖蒲 ・九節菖蒲
[性・味]温・辛
[帰経]心・胃
[用法]煎剤として使用される。 5~10g。粉末も使用可能。
和中 作用も有する化痰開竅薬 。寒閉 ・熱閉 両証に使用可能。
化痰開竅 |
芳香性が強く,よく痰を除き経絡を通じさせ開竅する。温性であるが,寒閉・熱閉両証に使用可能。化湿作用は蘇合香より弱い。
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化湿和中 |
芳香性により脾胃の湿濁を除く。食欲増進作用もある。中焦湿濁による胸腹部脹満痞塞感や疼痛・もたれ・食欲不振・下痢などに使用される。寒熱両証に使用可能。 |
[注意点]陰虚血虚証・多汗には慎重に使用する。
(管理No.01-075)
川芎
[基原]セリ科センキ ュウなどの根茎。
[別名]芎藭
[性・味]温・辛
[帰経]肝・胆・心包
[用法]3~10g。丸・散剤も可。
“血中の気薬 ≪本草網目 ≫”といわれ行気 作用が強い活血薬 。活血 し気 を巡らせ止痛調経 する。
活血行気 |
血を温めよく気血を巡らせる。以下の瘀血気滞証に多用される。 |
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祛風止痛 |
昇散性があり,頭部や皮膚・関節に作用し,経絡の気血をよく巡らせる。
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[注意点]陰虚火旺・月経過多・出血症には禁忌。
(管理No.01-076)
川玉金
[基原]ショウガ科ウコンやハルウコン,ガジュツの塊根。
[別名]中国ではショウガ科のウコンやハルウコン,ガジュツの乾燥した塊根を鬱金と呼び,ウコンやハルウコンの乾燥した根茎を姜黄と呼ぶ。これに対し,わが国の生薬名である鬱金は,ウコンの乾燥した根茎,つまり中国でいう姜黄のことである。また中国の鬱金は,わが国では川玉金 ・玉金 と通称される。このように,中国とわが国ではその呼び方が逆となるので注意が必要である。
[性・味]寒・辛・苦
[帰経]心・肝・胆
[用法]3~9g。粉末も可 (1~3g/回)。
“気中 の血薬 ”といわれ,活血 しよく止痛する。寒性であり,姜黄 に比べ,行気力 に優れ体内臓腑に作用し止血する。
行気活血 |
活血作用とともに良好な行気力を有し,気血を巡らせ止痛する。疏肝解鬱作用に優れ肝鬱気滞に多用される。肝気鬱結や瘀血による胸部腹部季肋部痛・月経痛・閉経に使用される。さらに月経不順・腫瘍などにも用いられる。
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化痰解鬱 |
鬱滞した痰を除き心竅を開き(開心竅),痰による心への阻害を改善する。寒性であり熱証に適する。痰気鬱阻による意識障害・胸胃部痞悶・癲狂などに使用される。 |
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利胆退黄 |
湿熱黄疸を緩和する。湿熱の黄疸などに使用される。 |
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涼血止血 |
血熱を冷まし降気して止血する。肝火上炎の吐血や鼻出血,血熱瘀血証や血熱妄行による倒経・血淋などに使用される。他の止血薬との配合が望ましい。 |
[注意点]妊婦には慎重に使用する。丁香とは相畏。
(管理No.01-077)
前胡
[基原]セリ科ノダケなどの根。
[性・味]微寒・苦・辛
[帰経]肺
[用法]5~10g。蜜炙前胡は寒性が弱まり潤性が増加し,肺陰虚の乾咳に適する。
外感風熱咳嗽 に多用される止咳薬。桔梗 とともによく配合される。桔梗 に比べ降気 作用に優れ,降気 によって痰を除去する。主に熱証 に使用される。
宣肺降気 ・化痰 |
肺の宣発作用を高めて,肺気を良好にして流暢に流し,痰を除去して止咳する。またよく肺の風熱を発散する。寒熱両証,ともに使用可能だが,
熱証により適する。
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[注意点]陰虚火旺や寒飲の咳嗽には使用しない。
(管理No.01-078)
センナ
[基原]マメ科チンネベリーセンナやアレキサンドリアセンナの小葉。
[別名]番瀉葉
[性・味]寒・甘・苦
[帰経]大腸
[用法]緩下には1.5~3g,攻下には5~10gを使用する。粉末の冲服か後下して使用する。
大黄 に類似した瀉下 作用を有するが,瀉火 ・活血 ・止血 作用はない。
瀉下攻積 |
大腸の滞積便を洗浄除去し,鬱熱を冷ます。熱証の便秘(熱結便秘)に適するが,食積の便秘や腹痛にも用いられる。単味の服用も可。枳実・厚朴・莱菔子・陳皮などと用いる。 |
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[注意点]妊婦・虚弱者・月経期・哺乳期には禁忌か慎重に使用する 。多量の服用で腹痛・悪心嘔吐などが出現することがある。
(管理No.01-079)
川楝子
[基原]センダン科トウセンダンの成熟果実。
[別名]金鈴子 ・楝実
[性・味]寒・苦
[帰経]肝
[用法]5~10g。丸・散剤や外用も可。
熱性気滞 の常用薬。
疏肝理気 ・止痛 |
肝気をよく巡らせ止痛するとともに,寒性であり鬱熱を除く。熱証を伴う肝気鬱結証によく適する。
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駆虫止痛 |
寄生虫による腹痛に使用される。特に蛔虫の腹痛に適する。檳榔子・使君子などと用いる。 |
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他 |
(1)外用で頭部の湿疹に使用される。
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[注意点]悪心・嘔吐・下痢・呼吸困難などが出現することがある。苦寒性であり脾胃虚寒証には使用しない。
(管理No.01-080)
皂角刺
[基原]マメ科トウサイカチの棘刺。
[別名]皂刺 ・皂針
[性・味]温・辛
[帰経]肺・大腸・肝・胃
[用法]6~9g。煎服。
辛散温通 する薬力が鋭利であり,病変部に直達する。
消腫排膿 |
辛散温通し,廱疸腫毒(皮膚化膿症)の潰破する前に,穿山甲・当帰・黄耆などと用いる。 |
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捜風殺虫 |
疥癬・麻風(癩病)などにも使用する。 |
[注意点]廱疸腫毒の潰破後および妊婦には禁忌。
(管理No.01-081)
蒼耳子
[基原]キク科オナモミの成熟果実。
[性・味]温・苦・辛
[帰経]肺
[用法]3~10g。
通鼻し皮膚の湿 を除く。鼻渊 頭痛の重要薬。辛夷 に比べ,祛風除湿 作用が強く,鼻渊 以外にも使用される。鼻渊 の常用薬。解表薬 としてはあまり使用されない。
通鼻・ 散風寒 |
鼻腔の通気を良好にする(通鼻)。鼻渊・鼻閉・粘性鼻汁・無臭,さらに風寒性の頭痛に多用される。寒熱両証に使用可能だが,特に風寒証の病態に適する。 |
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祛風湿止痛 |
祛風とともに湿を除き止痛する。 |
[注意点]多量の使用で嘔吐・腹痛・下痢などを引き起こすことがある 。多量には使用しない。副作用防止のため炒蒼耳子を使用するとよい。陰虚火旺には禁忌。
(管理No.01-082)
蒼朮
[基原]キク科ホソバオケラやシナオケラの根茎。
[性・味]温・辛・苦
[帰経]脾・胃
[用法]5~10g。生蒼朮は燥性が強く,炒蒼朮は燥性が弱まる。
湿阻中焦 治療の重要薬。脾胃 や外表 の湿 を除く。寒・熱両証,体の内外上下の広範囲に使用される化湿 の重要薬。厚朴 に比べ,燥湿 作用に優れる。
燥湿健脾 |
強い芳香性を有し燥性が強く,除湿作用に優れ,脾胃の湿を除いてその機能を回復させる(健脾)。だが補益作用はない。厚朴と同様に主に寒湿証に使用されるが,苦寒燥湿薬を加え湿熱証にも使用可能。湿困脾胃証の下痢・嘔吐・白膩苔に多用され,浮腫にも使用される。そのほか,胃もたれ・腹部脹満感・悪心・身体の重だるさなどにも使用される。湿困脾胃には厚朴・陳皮・白朮・枳穀などと用いる。〔代表方剤:平胃散 ,胃苓湯,越鞠丸〕。 |
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祛風湿 |
外表の風湿を除く。湿邪が強い痺証に多用される 。
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目明 |
視力を明瞭にする。夜盲症や内障・外障などの視力低下などに使用される。胡麻などと用いる。 |
[注意点]陰虚内熱,気虚の多汗には禁忌。
(管理No.01-083)
桑椹子
[基原]クワ科マグワなどの成熟集合果。
[別名]桑椹
[性・味]寒・甘
[帰経]肝・腎
[用法]10~15g。膏・酒・丸・散剤に使用可。
薬性が温和で補血 と潤腸 作用を有する補陰薬 。胡麻に比べ,補肝腎 作用に優れ,生津止渇 作用を有する。
補肝腎陰・ 養血 |
肝腎の陰を滋養し血も補う。膩性は少なく薬性は温和であるが,薬力はやや弱い。陰虚や血虚による頭重・めまい・視力低下・霧視・白髪などに使用される。そのほか,耳鳴・不眠・遺精などにも使用される。単味の服用も可。墨旱蓮・何首烏・女貞子などと用いる。〔代表方剤:首烏延寿丹〕 |
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生津止瀉 |
津液を潤し口渇を止める。温和で胃の障害は少ないが,薬力は弱く他の生津薬とともに用いられる。津液消耗や陰虚内熱の消渇病などに使用される。麦門冬・天花粉・石膏・知母などと用いる。 |
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補血潤腸 |
津液を潤し血を補い排便を促す。陰虚や血虚による腸燥の便秘に使用される。だが作用は弱く,他の通便薬の補助として使用される。麻子仁・何首烏・胡麻・枳実などと用いる。 |
[注意点]脾虚寒証の下痢には使用し ない。
(管理No.01-084)
桑白皮
[基原]クワ科マグワの根皮。
[性・味]寒・甘
[帰経]肺
[用法]5~15g。生桑白皮は瀉肺清熱と利水に優れ,蜜炙桑白皮は肺虚の咳嗽に適する。
寒性 の止咳降気薬 。肺中の火と水気を瀉 す。枇杷葉 に比べ清肺熱 作用に優れ,利水作用を有する。
瀉肺清熱 ・平喘 |
よく肺火を瀉し(瀉肺清熱)肺気を降ろすことで,止咳し呼吸困難を静める(平喘)。肺の実熱証の咳嗽・喘息に多用されるが,肺虚証にも使用される。
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利尿消腫 |
肺気を流暢に降ろすことにより通調水道を高め,利水する。顔面などの浮腫・小便不利などに使用される。茯苓皮・生姜皮・大腹皮・陳皮などと用いる。 〔代表方剤:五皮飲〕。 |
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他 |
近年では降圧作用もあるとされ,肝陽上亢などの高血圧にも応用されている。夏枯草・決明子・黄芩・釣藤鈎などと用いる。 |
[注意点]外感風寒の咳嗽には禁忌。
(管理No.01-085)