腎機能低下が気になる方へ
夏場の減塩対策


“普段、塩分を控えた食事を心がけているのですが、この時期は毎日暑くて大量の汗をかきますよね。
水分補給と塩分補給を促されますが、この時期は普段よりも減塩を緩くしても大丈夫でしょうか?”
こんなご質問がありました。
◎夏の発汗で失われる塩分
夏場はいつもより、汗をかきますので、もちろん、不足した場合は補わなければいけません。
体重の半分以上が水分であり、気温の高い時期は体温を下げるため発汗量が多くなり、水分補給が重要です。
では、塩分はどのくらい失われるのでしょうか?
汗の塩分濃度は0.4%程度と言われています。
500mlの汗をかいたら、およそ2gの塩が失われることになります。
一般的には、1時間未満の運動では水分補給は水でよいとされています。
食事でも6gは摂っているので、体内の塩分量がすぐに欠乏することはほとんどありません。
さらにカラダは発汗量に応じて血液中の塩分濃度を上手く調整する自動調節機能が働いています。
たとえば、塩が過剰になると排泄され、汗をかいて塩を失うと尿や汗から塩を出さないようになります。
一般的に塩分不足を伴う脱水症になるのは、食欲不振で食事が摂れずに食事量が減少したり、多くのお酒を飲みアルコールによって脱水したことが原因の場合が多いといわれています。
つまり・・・
暑さで大量の汗をかいても、水分補給をして、食事を三食食べていれば、減塩を緩める必要はありません。
ご質問された方は、いつも減塩を頑張ってらっしゃるので、もしかして、この時期はラーメン食べてもいいのかな?
と思われてたそうなので、少しがっかりされていました。
◎スポーツドリンクは水分補給になる?!

“塩分を控えていますが、スポーツドリンクは飲んでも平気ですか?”
というご質問もありました。
スポーツドリンクや経口補水液の塩分量についてご存知ですか?
経口補水液には100mlあたり0.3g、スポーツ飲料には500mlあたり0.4-0.6gの塩分が含まれています。
発汗量に合わせた塩分を補うには問題ありません。

ただ、スポーツドリンクを飲んで余計に喉が渇くことはありませんか?
実は、スポーツドリンクには角砂糖10個分の砂糖(20-30g)が含まれています。
さらに液体の糖分は血糖値が急激に上昇するので、血糖コントロールが難しくなります。
経口補水液やスポーツドリンクが適しているのは、大量に汗をかいた時や、下痢や風邪などで食事が十分に摂れない時であり、それ以外の水分補給にはあまり適切ではないと考えられます。
普段の水分補給にはミネラルウォーターや麦茶がおすすめです。
更新日:2024-08-28