腎臓病が気になる方はリンを制限する？！

目次
リンって何者？！
体の組織とリンの関わり
高リン血症とは？！
リンの吸収率
腎臓の負担を減らすためにできること！

●リンって何者？！

リンはカラダにとって重要なミネラルの一つです。

・骨や歯の健康を保つ：約85%が骨に含まれる
・エネルギーの生産：細胞の代謝に必要なATPの一部
・細胞の機能を支える：細胞膜やDNA構成成分。

健康な腎臓は余分なリンを体外に排出しますが、腎機能が低下するとリンが体内に蓄積しやすくなります。

●体の組織とリンの関わり

・排出の低下：腎機能が低下するとリンがうまく排出できずに血液中のリンが増加→高リン血症になる危険性があります。
・心臓や血管の石灰化：リンがカルシウムと結合して石灰化がおこります。

●高リン血症とは？！

血清リン濃度が5.0mg/dL以上のとき、高リン血症と診断されます。
過剰なリンを腎臓で排泄できない状態を示し、リンの過剰摂取と排泄量の低下により起こります。
リンの排泄は90%以上が腎臓から尿中へと出されるため、腎機能が低下すると排泄量も減少します。
また、一時的にリンを過剰摂取しても、腎機能が正常であれば、速やかに排泄され正常値に戻ります。
症状としては、低カルシウム血症を伴い、知覚異常・痙攣発作・胃腸症状のほか、カルシウム沈着を伴い、心筋梗塞・視力障害・不整脈などがみられます。

●リンの吸収率

・天然のリンの吸収率：20%～60%
・食品添加物のリンの吸収率：90%以上

食品添加物のリンは天然のリンよりも吸収されやすく、過剰に摂取しやすくなります。

添加物のリンは、ハムなどの他に、魚肉ソーセージなどの食肉・魚肉加工品、プロセスチーズなどにも、多く含まれています。
プロセスチーズの表示でリン酸塩は「乳化剤」と記載されることがあります。
魚肉加工品では原材料の「魚肉」（すり身）の製造にリン酸塩を使用していても「加工助剤」とみなされるため、完成した製品には表示義務がありません。
このように、リンの添加に気が付かないこともあります。

●腎臓の負担を減らすためにできること！

●食品の原材料表示を確認する

→菓子パン【イーストフード(リン酸塩)】
→インスタント麺【かんすい（リン酸カリウム、リン酸ナトリウム）】
→菓子類【膨張剤(リン酸カルシウム)】
→ハム、ソーセージ、冷凍食品、練り物【結着剤(リン酸塩、ポリリン酸カリウム)、品質改良剤(ポリリン酸ナトリウム)】

●「リン酸塩を含む加工食品」はなるべく摂らない

→「リン」「リン〇〇」と書かれていなくても、「pH調整剤」「かんすい」「結着剤」「酸味料」「香料」「膨張剤」の表示があるものは避けましょう。

●加工品を利用する際は下ゆでをする

→ちくわやかまぼこなどの練り物は下ゆでしてから使用する。
→ソーセージやハムなどを炒めものにする際も、一度湯通ししたものを使用する。

●インスタントラーメンや中華麺をゆでこぼす

→麺を一度ゆで、ゆで汁を捨ててから新しい湯でスープをつくる。