腎機能が低下すると骨折しやすくなる?!

リンは、腎機能が低下すると尿中に排出されにくくなり、血液中に蓄積して「高リン血症」を引き起こします。
しかし、この状態は自覚症状がほとんどなく、見過ごされがちです。

また、そのまま放置してしまうと重大な合併症を引き起こし、骨折しやすくなることもあります。
「高リン血症」になり、血液中のリン濃度が上昇することで副甲状腺が直接刺激され、必要以上に副甲状腺ホルモンが分泌されます。
すると、骨中のカルシウムが血液中に溶けて、骨がもろくなったり、骨折しやすくなります。
また骨や関節に痛みを生じることもあります。

さらに、“血管石灰化”が起こることで、動脈硬化、心不全、心筋梗塞、足の壊死などのリスクがあるので、自覚症状がなくても、リンのコントロールはとても重要です。



●カルシウムとリンの石灰化


カルシウムとリンの石灰化

カルシウムとリンの石灰化

なぜ血管石灰化が起こるのかというと、高リン血症になると、血液中のリンの影響で骨からカルシウムが溶けだし、カルシウムと過剰なリンが結合して、血管の壁に沈着するからです。

血管石灰化が起こるしくみと影響


“高リン血症”は症状が比較的穏やかなので、気にされてない方も多いかもしれません。
しかし、長生きするためはコントロールがとても重要!!
リンの摂取制限が必要とされるのは、CKDのステージG5で高リン血症の方や人工透析を導入した患者さんです。
しかし、G1~G4の方であっても普段から“加工食品”を食べている場合は要注意です!
加工食品に含まれるリンの吸収率は90%以上と高いからです。
今から気を付けていきましょう。

→前回の記事:腎臓病が気になる方はリンを制限する?!





更新日:2025-01-22