西野先生 漢方で考える不妊症Q&A
中医学で考えると
不妊がよくわかる
もう一つの視点から
不妊改善に取り組むときに、病院などの専門機関にかかることもとても大切なことですが、元気な赤ちゃんを授かるためにもぜひ知っていただきたいのが、中医学の視点です。
不妊相談で長年の実績のある漢方と鍼灸の専門家、西野先生が答えます。
もくじ
授かるための身体を育みましょう。
身体を育むことは、命を育むことです。
薬剤師・鍼灸師・国際中医専門員A級
株式会社 誠心堂薬局 代表取締役
日本中医薬学会 理事
一般社団法人統合医療生殖学会 理事
★2019~2021年西洋医学の不妊治療を2年以上受けて妊娠できなかった33人の患者様において1年以内の漢方と鍼灸の不妊相談で妊娠実績55%
★6か月間の漢方と鍼灸の不妊相談で妊娠実績60% (*2016年ポータルサイトジネコモニター)
妊娠と健やかな赤ちゃんの誕生を願うなら、まずは体質改善とカラダづくりから。
「卵子も老化する」「年齢が若くても、卵子が残り少ないこともある」ということが広く知れ渡ってきた昨今、「少しでも早く妊娠したい」と焦り、ストレスをかかえる女性も少なくありません。でも、「赤ちゃんを望むなら、まず体づくりを」と私共もは勧めております。
自分の体質に合ったカラダ作りと適切な養生をしましょう。
卵子と精子が受精しても、きちんと子宮に着床しなければ、妊娠できませんし、順調に育っていかなければ、出産できません。35才以上になると、染色体異常が主な原因の妊娠12週未満の流産がふえるだけでなく、それ以降の時期の流産率も高くなります。赤ちゃんを望む多くの方へのサポートを通して、健康な体をつくることが、妊娠しやすく、おなかの赤ちゃんが育ちやすく、子育てもしやすいことにつながると実感しています。
カラダ作りでもっとも重要なのは、体質を見極めることです。
中医学では、『養生』といって、健康な体をつくるために日常生活の中で足りないものを補いますが、人によって体質が違うため、それに合わせた養生をすることが大切です。西洋医学とは異なり、体質は舌や脈で判断するので、まずは必ず中医学の専門家にみてもらいましょう。妊娠の鍵は、ホルモン分泌の促進と骨盤内の血流アップです。
妊娠に近づくためには、体質に合った養生をするだけでなく、さらに2つのことが大切になります。1つは『補腎(ほじん)』です。補腎とは、妊娠する力を落とさないようにすること。妊娠するためには排卵や着床を促す女性ホルモンがきちんと分泌されていなければなりませんが、年齢を重ねるとホルモンの分泌が落ち、妊娠する力が弱くなってきます。そこで、補腎薬を使ってサポートするのです。補腎には鹿茸(ろくじょう)、亀板(きばん)という動物性の生薬を組み合わせた「亀鹿二仙丸(きろくにせんがん)」という処方があります。体を温めてホルモンの分泌を助ける以外に、卵に必要な潤いや栄養を与えるため、究極のアンチエイジングの漢方といわれているそうです。
もう1つは『骨盤内の血流の改善・安定』です。骨盤内の血流を良くすると、分泌を促したホルモンがきちんと子宮や卵巣、卵胞に届くようになって、卵の質が良くなり、着床しやすくなります。この二つはどちらも、男性不妊の方にもおすすめできます。血流の改善には、誠心堂オリジナルメソッドである鍼灸による『三焦調整法(さんしょうちょうせいほう)』で体全体の血流バランスを調整し、本来の血流に戻して安定させるとともに、体質別に漢方薬を選んでいます。