不妊症ってどういうことですか?

「西洋医学と中医学では不妊症の着眼点が違います」

女性も男性も妊活には『腎』が大切です。

「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいい、その「一定期間」は「1年というのが一般的である」と日本産婦人科学会では定義しています。


妊娠適齢期の夫婦が妊娠を望んだ場合、1年間で8割、2年間だと9割が妊娠するというデータがありますから、この定義は適切と言えるでしょう。

つまり不妊とは妊孕力(妊娠する力)が低下し、結果として子どもができない状態のことです。ではその原因はどこにあるのでしょうか? 加齢による機能低下、ストレスや食事、運動不足などによる機能失調、そして卵管、子宮、精巣の障害など、答えはひとつではなく、個々の状態によって違うのです。


西洋医学での不妊とは、機能と結果つまり卵子と精子を診て、受精させていくことに着目しています。ですから、検査を行い、ときには病名がつくこともあります。しかし、病名がついても治療法がないことも少なくないのです。


中医学では全体で考えます。

一方中医学では、子どもができない現象だけを捉えるのではなく、不妊を起こす原因を掘り下げていきます。精子も卵子も体の一部だから、統合的な医療の部分で診ていくことが必要と考えるのです。ですから、不妊は身体の状態だけではなく、メンタル、養生など心や体のバランスから住んでいる環境までもが起因になると捉えます。つまり、機能はあるし障害は何もないのだけれど、夫婦生活がなかったり、二人の努力が噛み合わない場合なども不妊の原因として中医学はサポートしていきます。


中医学がこのような不妊の捉え方をする基盤には、人の体は、「腎」、「肝」、「心」、「脾」、「肺」という五臓と各器官がつながっているという考えがあるのです。とくに「腎」という臓腑は子宮、卵巣、精巣という器官とつながっていると考えます。しかし、腎は単独にあるわけではなくて、ほかの4つの臓腑と助け合ったり、調整し合ったりして五臓の五角形のバランスをとっているのです。このことからも、中医学は体全体のバランスに着目した治療法だということが分かるのではないでしょうか。


ドイツと中国の研究チームがまとめたもの

誠心堂では卵子、精子だけではなく、それを生み出している五臓と環境をも不妊の要因として注目しています。それには生殖機能を司る「腎」はもちろんですが、それをとりまく残りの臓器の状態も細かく診ていく必要があるのです。若くて健康であれば、質のいい卵子、精子はほとんどの人が持っていますが、健康であっても加齢とともにそれが少なくなっていきます。西洋医学では卵子や精子の質を改善する方法を持っていません。


晩婚化が進む昨今、高齢の不妊となると治療がむずかしくなるのが西洋医学の現状です。しかし、中医学では体の元の部分、環境、メンタルなどすべての状態を診ながら、五臓の相生相克の関係を考え、個々の状況にマッチした不妊治療法を提案できるのです。



更新日:2023-12-02