妊娠初期の頭痛
~対策や気をつけること~

はじめに

頭痛

妊娠初期は、つわりの影響や体の変化から頭痛に悩まされる妊婦さんが多くいると言われています。つわりによる頭痛以外にも、肩こり、貧血、脱水症状によって頭痛がおこる場合もあります。一般的にそれぞれの要因が改善すると、頭痛も落ち着いていきます。




妊娠初期の頭痛の種類とその原因・特徴および対策方法


片頭痛

冷却シート

ストレス、食べ物、ホルモンの変化をきっかけとして起こります。
こめかみのあたりに「ズキズキ」と脈を打つように痛みを生じるのが特徴です。症状が悪化すると、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。

妊娠初期の片頭痛はホルモンの変化によっておこることが多く、つわりが終わるころに頭痛の発生は自然と収まってくることがほとんどです。

冷却シート
対策方法として、痛む部位を保冷剤や冷却シートで冷やすと即効性があり、早く楽になりやすくなります。血流がよくなると痛みがでやすいため、なるべく暗いところで安静にしておくことがよいでしょう。

緊張型頭痛

ストレッチ
頭を強く圧迫されたような痛みを生じる頭痛です。首から後頭部にかけて絞めつけられるような痛みが特徴で、日常の姿勢や体の変化が主な原因となります。

妊婦さんは、おなかが大きくなることから姿勢が悪くなりやすいです。そのため、姿勢の悪い状態で長時間パソコンや携帯電話を利用すると、緊張型頭痛の原因となります。

妊娠初期は体がまだ不安定な時期ですから、ほとんど運動もできずに、妊娠前より運動量が減ることが多いです。運動不足で筋肉がこわばることも緊張型頭痛とつながります。

ストレッチ
対策方法として、ストレッチをしたり、体を温めたりして、血流をよくすることが良いでしょう。目を休める時間を作る、丸まった肩を広げるなどして、目や肩周辺の筋肉などをほぐしてあげましょう。




中医学では、頭痛の原因が「瘀血」と「水毒」にあると考えます

瘀血

「不通則痛(通らざればすなわち痛みがでる)」という言葉があります。

体全身や内臓を栄養している「けつ」の循環が悪くなることにより、痛みが生じます。

乳製品、白砂糖、加工食品、添加物などは「瘀血」になりやすいため、なるべく避けたほうが良いでしょう。


水毒

ビール

「水毒」は、体の中の水の代謝が悪くなり滞る状態です。体に余分な水が溜まることで、いろいろな症状が出ます。

低気圧で頭痛が出やすい方はビールを控える必要がありますし、水分の取りすぎも止めましょう。急な水分の取りすぎは内臓の負担にもなるので、こまめに水を飲むのがよいです。




おすすめの漢方薬

頭痛

頭痛の場合に、当帰芍薬散とうきしゃくやくさん桂枝茯苓丸けいしぶくりょうがん加味逍遥散かみしょうようさん五苓散ごれいさんなどの漢方薬がよく使われています。

これらの漢方薬は血流をよくしたり、体の余分な水を出しやすくしたりするなど、根本的に頭痛の原因を取り除きます。ただし、妊娠初期は体質によって使える漢方薬が異なります。

大事な時期ですので自己判断での服用はせずに、必ず漢方の専門家と相談してから服用しましょう。


食養生

頭痛を避けたい場合に、以下のものの摂取をなるべく控えましょう。

頭痛を起こす原因となるため避けたい食品
  • 食品添加物
  • 化学調味料
  • アルコール
  • チーズ
  • 冷たいもの

市販薬

妊娠中に服用できる鎮痛剤にカロナール(アセトアミノフェン)があります。ただし自己判断で市販薬を服用することは控えましょう。

市販薬にはカフェインやその他の成分が含まれていることもあり安易な判断は禁物です。かかりつけの産婦人科医に相談し、処方薬をもらいましょう。

また、よく使用されるロキソニン(ロキソプロフェン)などの鎮痛剤の服用は止めましょう。

妊娠初期に、もしも頭痛の症状が続いたら我慢せずに気軽に相談してください。我慢をして体が緊張すると負担となります。
ストレスや疲れは頭痛の一因ですので、職場や家庭でも可能な範囲で相談し、休息をよくとり、できるだけリラックスした生活を心掛けましょう。



更新日:2023-09-21