妊娠中のお腹の張り
~注意点や対処法など~

はじめに

頭痛

妊娠中にお腹が張ってくると不安になるものですね。
特に初めての妊娠では、お腹が張る感覚が分からず、病院で指摘を受ける方もいらっしゃいます。

妊婦の身体は日々変化していきますので、気になることや不安なことは早めに相談して解消しましょう。
今回は、妊婦によくあるお腹の張りについて取り上げます。




妊娠中に感じるお腹の張りとは?


妊娠中の「お腹の張り」とは、子宮が収縮する感覚のこと。
子宮の筋肉は平滑筋という筋肉で、自律神経の支配下にありホルモンの影響を受けやすく、また、自分の意思でコントロールできない筋肉でもあります。

緊張したり、疲れたり、冷えたりすると、子宮筋肉が収縮して、お腹の張りを感じます。

お腹の張りを予防するには、なるべくリラックスして、疲れやストレスをためないことが大切です。




妊娠期別、お腹の張り具合


妊娠初期 (1週~15週)

妊娠初期

まだお腹の張りを感じることは少ないですが、軽い腹痛を感じる方は多くいます。
その原因としては、子宮が急激に大きくなるためです。
子宮が収縮を繰り返しながら、だんだんと大きくなることによる「生理痛のような痛み」や、子宮靭帯が引っ張られることによる「引っ張られるような痛み」を感じる方が多い時期です。


妊娠初期

妊娠中期 (16週~27週)

妊娠中期

お腹もすこしずつ大きくなり、お腹の張りを自覚する方が増えてくる時期です。
長期間歩いた時や、立っていた時、夕方以後の疲れている時などに感じやすくなります。
張りを感じる場合でも、ほとんどは少し休んだら、自然に治ります。


妊娠中期

妊娠後期 (28週~39週)

妊娠後期

お腹の張りは徐々に増えていきます。
お腹が張った時に自分でお腹を触ると、カチカチになっているのが分かりやすくなります。
妊娠10か月に近づくほど、張る回数も増えていきます。


妊娠後期



妊娠中のお腹の張りの原因と対処法

お腹の張りには「生理的なもの」と「病気が原因のもの」があります。

「生理的なもの」

病院

生理的におこるお腹の張りの原因は、動きすぎ、緊張、ストレス、冷え、疲れ、便秘などがあります。
一つの要因だけより複合的な要因が重なり、お腹がはってしまうと考えられます。

対処法

安静にして、体を休めることが一番です。


「病気が原因のもの」

病院

妊娠中期にお腹の張りをおこす代表的な病気に「絨毛膜羊膜炎じゅうもうまくようまくえん」があります。
そのほかに前置胎盤や頚管無力症も切迫流産や早産につながる病気です。

対処法

お腹の張りが1日3~4回なら、特に心配いりません。
もし頻繁に張り長く続く痛みや出血をともなう場合、流産や早産に結び付いてしまう可能性もあるので、早めの受診をオススメします。


▶▶▶病院を受診する目安

・1時間程度休んでも張りが収まらない
・張る間隔が規則的で、その感覚が徐々に短くなっている
・お腹の張りとともに出血がある
・お腹がずっとガチガチの状態で柔らくなることなく、ずっと続いている




漢方での妊娠期のサポート

頭痛

漢方でいう健康とは、心身ともに健康であることを指し、「気血水きけつすい」・「五臓六腑ごぞうろっぷ」・「寒熱かんねつ」といった状態のバランスがとれていることを言います。

しかし、妊娠により、自分だけで使用していた栄養(気血水)を胎児にも供給することとなりますので、体力がある方でも様々な不調が起こります。

また体力のない方、体のバランスが悪い方などはその不調が増える傾向であり、場合によっては妊娠を継続することが難しくなったりすることもあります。

漢方では、妊娠により不足した「気血水」や、弱くなったり・過剰になったりした内臓機能「五臓六腑」を助けることで、妊娠を継続させ、かつ元気な子を出産できるようにお手伝いいたします。
すると、産後の回復を早くすることにもつながります。

お腹の張りが起きやすい体質に、「気虚ききょ(エネルギー不足)」、「血虚けっきょ(栄養不足)」、「気滞きたい(代謝や巡りの不良)」などがあります。

これらの体質によるお腹の張りは、ある程度漢方で緩和することができます。
ぜひお気軽にご相談ください。





更新日:2023-10-07