体質で考える「女性のガン」
更新日:2023.11.13
女性のガン(乳ガン・子宮ガン・卵巣ガン)とは?
一般的にガンは高齢者に多い病気ですが、女性特有のガンでは若い世代も注意を払う必要があります。乳ガンは日本人女性がかかるガンでは最も多く、生涯の発症リスクは9%であり、9人にひとりはかかるとされています。
子宮ガンには、子宮入り口の頸部にできる“子宮頸ガン”と子宮奥の子宮体部にできる“子宮体ガン”があり、子宮頸ガンは20歳代から発症して30~40歳代に急増するのに対し、子宮体ガンは通常40歳頃から増加して、50歳から60歳代でピークを迎える特徴があります。
卵巣ガンは女性のガンの中では数が少ないガンですが、“サイラントキラー”と呼ばれるようにほとんどが無症状に進行するため、症状に気づかず手遅れになるケースもあります。早期発見・早期治療が大変重要です。
女性のガンの原因と治療
様々な原因がありますが、日本人の食生活の欧米化、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの過剰分泌などが主な原因といわれています。
乳ガンの原因
初潮が早い、出産回数が少ない、閉経が遅い、ホルモン補充療法、ピルの服用、遺伝など。
子宮頚ガンの原因
ヒトパピローマウイルス感染、多産、喫煙者、ピルの服用、若い頃からの性交渉など。
子宮体ガンの原因
初潮が早い、出産回数が少ない、閉経が遅い、ホルモン補充療法、肥満、糖尿病、遺伝など。
卵巣ガンの原因
出産回数が少ない、卵巣チョコレート嚢胞、遺伝など。
治療は手術療法が基本で乳房、子宮、卵巣、卵管などを摘出します。進行したガンでは放射線療法や化学療法(抗ガン剤)が行なわれることもあります。妊娠を希望する場合は、妊娠する機能(妊孕性)を保つため、子宮や卵巣、卵管を摘出しない治療方法を選択する必要があります。
漢方で考える(乳ガン・子宮ガン・卵巣ガン)
中医学には“扶正祛邪(ふせいきょじゃ)”という治療原則があり、その意味は“不足しているものを補い、身体にとって有害なものを取り除く”というものです。ガン細胞を化学薬品や放射線などで攻撃したり外科的手術で取り除く(祛邪)だけでなく、もともと持っている身体の免疫力を回復させて自らを守る力(扶正)を養うことでQOL(生活の質)を高めることができます。
中医学体質別治療法
① 肝鬱気滞(かんうつきたい)体質
ストレスなどの精神刺激により、イライラや憂うつ感など精神症状が起きる。
随伴症状:肩こり、頭痛、お腹や胸の張り、イライラ、憂うつ感、喉のつまりなど。
ストレスなどで交感神経と副交感神経のバランス悪くなると、気の流れがスムーズでなくなるため、詰まって滞りやすくなったり、精神的な不調が起こりやすくなります。
漢方 |
柴胡疎肝散、加味逍遙散など |
ツボ |
太衝、内関など |
食材 |
ミント、ジャスミン、春菊、三つ葉、みかんの皮、イカなど |
② 湿熱蘊毒(しつねつうんどく)体質
体内に余分な水分と熱がたまった状態で、舌にべったりと黄色い苔がつきやすい。
随伴症状:おりものは日頃から黄色っぽく粘りがあり臭いがある、陰部の痒み、身体が重だるい、のぼせ、口の渇き、尿が黄色など。
辛いものや脂質のとりすぎ、過度な飲酒などで身体の中に老廃物がたまりやすくなります。
漢方 |
温胆湯、竜胆瀉肝湯など |
ツボ |
陰陵泉、曲池など |
食材 |
ハトムギ、とうもろこし、冬瓜、緑豆、きゅうり、クチナシの実など |
③ 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)体質
加齢や過労、睡眠不足などにより、抵抗力の低下が見られる。
随伴症状:足腰がだるい、倦怠感、目の疲れ、筋肉のつり、便秘、ほてり、寝汗など。
身体に必要な血や人体のエネルギー源である精(せい)を消耗しているため、心身を栄養することができなくなります。
漢方 |
杞菊地黄丸、二至丸合六味丸など |
ツボ |
太谿、三陰交など |
食材 |
黒豆、黒きくらげ、アスパラガス、山芋、卵、人参、ほうれん草など |
④ 脾腎陽虚(ひじんようきょ)体質
身体を温める力が弱くなっており、冷えが起きやすい。
随伴症状:お腹や腰の冷え、立ちくらみ、めまい、倦怠感、疲れやすい、むくみ、頻尿など。
加齢や過労、胃腸虚弱、飲食の不摂生などにより、身体に必要な栄養物質を作り出すことができず、新陳代謝が低下します。
漢方 |
附子理中湯、八味地黄丸合補中益気湯など |
ツボ |
関元、足三里など ※命門(めいもん)にお灸を加える |
食材 |
もち米、鶏肉、イワシ、エビ、くるみ、栗、ニラ、とちゅう茶など |
女性のガンの鍼灸治療
ガンにおける鍼灸治療では、術後のしびれや痛みを和らげたり、抗ガン剤にともなう吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢といった副作用症状を減らしてQOL(生活の質)を高める効果が期待されます。また、ガンとたたかうための “正気(病邪に対する人体の抵抗力)”を養ったり、神経系統を刺激して身体が本来持っている鎮痛物質を分泌させることで、ストレスを緩和させていきます。また、卵巣摘出後や薬による更年期症状なども、鍼やお灸をすることでホルモンのバランスを整えていくことができます。
お客様インタビュー
32歳 子宮頸がん 軽度異形成 進行性のウィルス 低AMH
(漢方服用期間8か月)
体質について
体質は人により異なります。店舗では舌だけでなく脈や血流などを確認させていただくことができ、より詳しく体質が分かります。
ご来店が難しい場合は電話相談やZOOMを使ったオンライン相談も可能です。
予約制となっておりますのでまずは問い合わせください。ご都合に合わせて相談方法、店舗や日にち、お時間をセッティングさせていただきます。
電話で予約する
|
問い合わせフォームで予約する
|
医師
医療法人社団 マザー・キー 理事長
筑波大学医学群卒
筑波大学附属病院などの勤務を経て、平成17年9月、千葉県館山市にファミール産院を開院
現在は千葉県内にて複数の産婦人科診療所を運営
薬剤師・鍼灸師・国際中医専門員・中医薬膳師
中国漢方普及協会 学術委員
株式会社 誠心堂薬局 営業部課長
北里大学薬学部薬科卒
東京医療福祉専門学校鍼灸科卒