新型コロナウイルス感染症に伴う不調

COVID-19の後遺症(以下コロナ後遺症)は、確立された治療法がないため、悩まれている方が少なくありません。WHO(世界保健機関)では「新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの(通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられる。)」と、コロナ後遺症(post COVID-19 condition)について定義しています。


コロナ後遺症では、感染症の回復後も嗅覚・味覚障害や倦怠感、呼吸困難、記憶力の低下などのさまざまな症状が続くことがあるといわれています。このような症状についてはいまだ不明な点が多く、確立された治療法もありません。


そうした中で、漢方薬や鍼灸のような、全身のバランスを調整する効果のある対策は、早期に元の日常生活に戻れるように回復を促す効果が期待されています。


東洋で育まれた東洋医学

漢方や鍼灸といった東洋医学では、原因が明らかではない症状においても、体質を見極めて対応する考え方「弁証論治べんしょうろんち」があります。病名ではなく、体質によって適切な治療方法を選択する考えです。体質は、自覚症状や舌、脈、体格などの様々な情報を考慮して見極めます。そして見極めた体質に適した漢方薬やツボを選択し対応します。


そのため、同じコロナ後遺症でお悩みの方でも、違う不調、違う体質であれば異なる漢方薬やツボを用いていきます。


実際にご相談された方の
経過をご紹介

43歳、女性

Aさん 43歳、女性
嗅覚障害・味覚障害・だるさ

<結果>2カ月ほどの漢方薬の服用で症状が改善

<経過>COVID-19感染後から味覚障害。感染から1カ月後にご来店。漢方服用を開始され2週間後に塩味と辛味がわかるようになった。4週間後にだるさが軽減され、6週間後に嗅覚・味覚が改善し、だるさもなくなった。食欲が出てきて気分が楽になり、もともとあった不調(生理痛、肩こりなど)も改善された。8週間後に体調良好で疲れにくくなった。


<相談を担当した先生より>
平素より体質が弱く、ストレスがたまりやすいタイプの方でした。そのため、外的環境からの刺激に弱く感染症にかかりやすい体質です。感染症の負担が強く、治ったものの、まだ排除しきれない状態で、回復に時間がかかったと言えます。五臓六腑のうち、肺、胃腸、肝を整え、早い回復を助けることができました。

44歳、女性

Bさん 44歳、女性
脱毛・だるさ・動悸

<結果>3カ月ほどの漢方薬の服用で改善

<経過>COVID-19感染で入院、その2カ月後から脱毛が気になり始めた。動悸・イライラもある。脱毛が始まった2週間後に漢方薬を求めて誠心堂薬局にご来店。漢方薬の服用を開始して2週間で家族より脱毛が減ったと指摘を受けた。6週間で抜け毛の減少が自覚できた。もともとの不調(生理痛など)も改善された。3カ月後に抜け毛は気にならなくなり、動悸、だるさも改善された。

Cさん 55歳、男性
空咳・だるさ

<結果>2週間ほどの漢方服用で改善

<経過>COVID-19感染後、20日後に漢方相談にご来店された。咳が布団の中や電車の中で出るのが気になる。胸がつまり、咳がいつも出そうに感じるとのことで、漢方服用開始。2週間服用して、症状が改善された。


52歳、女性

Dさん 52歳、女性
胃腸の不調・食欲不振・体重減少・精神不安・動悸

<結果>2カ月ほどの漢方薬の服用で改善

<経過>COVID-19感染発症後は病院の受診ができず解熱剤を服用して過ごしていた。7日後に内科を受診し抗生剤を3カ月間服用したが回復せず。他所の漢方外来で煎じ薬を服用したが改善が見込めずご来店。漢方薬服用を開始して2週間で食欲は改善した。さらに漢方薬を調整して、6週間服用したところ、意欲的になり精神が安定した。


<相談を担当した先生より>
胃腸の働きと、自律神経を整える漢方薬を用意しました。