体質で考える「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」
更新日:2023.11.13
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目次
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、西洋医学による原因と治療
- 漢方と鍼灸による多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の体質改善
- 漢方で考える体質別治療法
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の鍼灸治療
- お客様インタビュー
- 体質について
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?
PCOSとは多嚢胞性卵巣症候群のことをいいますが、症候群=syndrome(S)を抜かしてPCO、あるいは多嚢胞性卵巣と呼ばれることもあります。厳密にはPCOSはPCOよりも生理の異常(無月経、無排卵周期症、稀発月経)や多毛、肥満、不妊などの症状をともなうため、より重症とされています。女性の排卵障害で多く見られる病気で、卵胞の発育に時間がかかり、なかなか排卵しないのが特徴です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、西洋医学による原因と治療
血液中の男性ホルモン値が高かったり、女性ホルモンである黄体化ホルモン(LH)が過剰分泌されているためと考えられています。卵巣内に1cm未満の小さい卵胞が10個以上見られ、超音波検査ではこれが真珠のネックレスのようにみえるので、ネックレスサインと呼ぶこともあります。また、コラーゲン線維の沈着によって白膜(卵巣を覆う皮)が厚くなり硬くなっています。
治療は妊娠を希望するか否かで異なります。妊娠を希望する場合は、排卵誘発剤、ステロイド、糖代謝改善薬、抗プロラクチン薬などの内服のほか、外科的手術が行われることがあります。妊娠を希望しない場合は、ホルモン療法で生理周期を整えます。
漢方と鍼灸による多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の体質改善
多嚢胞性卵巣では、複数の卵胞がたくさんできるわりに、1個1個が十分な成長ができず、排卵まで至ることができません。中医学では、生殖を司る臓腑は“腎(じん)”であり、卵胞の質や排卵と深い関わりがあるとされています。そのため、体質虚弱などで腎の機能が低下すると、卵胞の成長が悪く、排卵を促す力が弱くなり生理周期が乱れる原因となるのです。また、卵巣の周りに血(けつ)の滞りである“瘀血(おけつ)”や、ネバネバした老廃物である“痰湿(たんしつ)”がこびりつき、卵巣の膜が硬くなるため排卵しにくくなります。そのため、“腎”の機能を高めることを基本として、その方その方の体質に合わせた方針を取ります。
漢方で考える体質別治療法
① 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)体質
女性ホルモンの働きが低下して卵巣に栄養が行き届かず、排卵が滞る。
随伴症状:生理周期が不安定、無月経、生理の量が少ない、足腰のだるさ、倦怠感など。
身体に必要な血(けつ)や人体のエネルギー源である精(せい)を消耗しているため、心身を栄養することができなくなります。
漢方 |
杞菊地黄丸、二至丸合六味丸など |
ツボ |
太谿、三陰交など |
食材 |
黒ごま、黒きくらげ、アスパラガス、山芋、卵、人参、ほうれん草など |
② 気滞血瘀(きたいけつお)体質
ストレスなどの精神刺激により、気の巡りが停滞して排卵が滞る。
随伴症状:生理周期が不安定、生理に塊がある、お腹や胸の張り、イライラ、憂うつ感など。
気は血を押し流す働きをしており、ストレスなどにより気の流れがスムーズでなくなると、血までも滞るようになります。
漢方 |
血府逐瘀湯、加味逍遙散など |
ツボ |
太衝、三陰交など |
食材 |
ミント、ジャスミン、春菊、三つ葉、みかんの皮、バラの花、玉ねぎなど |
③ 痰湿阻滞(たんしつそたい)体質
余分な水分が体内に停滞することで、気血の流れが悪くなり排卵が滞る。
随伴症状:おりものが多い、身体が重だるい、頭重、むくみ、めまい、食欲不振など。
胃腸の働きが悪く水分代謝の働きが低下するため、食べたものが栄養物質にならずネバネバとした老廃物となり停滞します。
漢方 |
温胆湯、六君子湯など |
ツボ |
豊隆、陰陵泉など |
食材 |
緑豆などの豆類、冬瓜、とうもろこし、ハトムギなど |
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の鍼灸治療
卵巣周辺の血流をよくするため、腰や背中、お腹に鍼とお灸をします。特に背中と腰にあるツボは、副交感神経を刺激して骨盤内に栄養と酸素を集めることができます。お腹に鍼灸をすることで胃腸の調子を整えて水分代謝を助け、老廃物がたまるのを防ぎます。妊娠を希望する方には、妊活鍼灸 誠心堂式三焦調整法(さんしょうちょうせいほう)を使い妊娠しやすい身体作りをサポートします。
多嚢胞性卵巣症候群で使う代表的なツボ
関元(かんげん)、血海(けっかい)、三陰交(さんいんこう)、次髎(じりょう)、腎兪(じんゆ)など。
お客様の声 不妊症 PCOS
お客様インタビュー
31歳 コロナ禍、基礎体温を整える
(漢方服用期間11か月)
体質について
体質は人により異なります。店舗では舌だけでなく脈や血流などを確認させていただくことができ、より詳しく体質が分かります。
ご来店が難しい場合は電話相談やZOOMを使ったオンライン相談も可能です。
予約制となっておりますのでまずは問い合わせください。ご都合に合わせて相談方法、店舗や日にち、お時間をセッティングさせていただきます。
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医師
医療法人社団 マザー・キー 理事長
筑波大学医学群卒
筑波大学附属病院などの勤務を経て、平成17年9月、千葉県館山市にファミール産院を開院
現在は千葉県内にて複数の産婦人科診療所を運営
薬剤師・鍼灸師・国際中医専門員・中医薬膳師
中国漢方普及協会 学術委員
株式会社 誠心堂薬局 営業部課長
北里大学薬学部薬科卒
東京医療福祉専門学校鍼灸科卒