薬草辞典-ら行
■レンシン
蓮心
[基原]スイレン科ハスの果実中にある緑色棒状の胚芽のみを採取したもの。
[別名]蓮子心・青蓮心
[性・味]寒・苦
[帰経]心
[用法]1.5~3g。煎服。
清心瀉火・除煩安神にすぐれており,熱陥心包の神昏譫語や心火亢盛の心煩不眠に有効である。心煩不眠で遺精を呈するときも,清心により心火を腎に下通させて効果を示す。
清心瀉火・ 安神 |
心火亢進に使用される。温病熱邪が心に入ったための煩熱・ 意識障害・うわごとなどに,玄参・竹葉巻心・麦門冬などと用いられる。そのほか,心煩不眠・遺精などに,補助的に配合される。 |
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■ロクジョウ
鹿茸
[基原]シカ科マンシュウジカやマンシュウアカジカなどの雄の未角化の幼角(袋角)。
[性・味]温・甘・鹹
[帰経]肝・腎
[用法]1~3g。丸・散・酒剤も可。
腎陽不足,精血虚損治療の重要薬。
温腎壮陽 |
腎の陽気を温め補い,元陽を盛んにし,優れた壮陽作用を有する。 |
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補益精血 |
腎陽を温補すると同時に精血を滋養する。血虚を伴う重度の陽虚証による倦怠無力感・羸痩・顔色蒼白や萎黄・めまい・耳嗚・動悸・健忘などに使 用される。熟地黄・当帰・山茱萸・黄耆・人参などと用いる。 |
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補腎・ 強健筋骨 |
腎気を補い筋骨を強健にする。 |
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他 |
正気を補い祛邪力を増強し,皮膚化膿症の治癒を促進する。虚証の化膿症によく使用される。 |
[注意]通常は少量より使用し徐々に増量する。一度に多量を服用すると,陽気が上昇し内風状態となり,頭痛・めまい・眼球眼瞼結膜充血や鼻出血などが出現することがある。陰虚内熱,血熱出血証,胃火証,肺の痰熱証,外感温熱病には禁忌。
■ロコン
芦根
[基原]イネ科アシの根茎(実際には茎を使用)。
[別名]葦茎
[性・味]寒・甘
[帰経]肺・胃
[用法]15~30g。多量に使用する。絞り汁を使用してもよい。
甘性多汁でよく肺胃の熱を冷まし津液を潤す。膩性はなく,清熱しても津液を損なわず,生津して邪を留めない。天花粉に比べ,清熱作用は優れるが生津作用は劣る。
清熱生津 |
肺や胃の熱を冷まし,津液を潤し(生津)口渇を止める。また熱による煩躁を静める。 |
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清肺熱 |
よく肺熱を冷まし祛痰する。肺熱や風熱の粘稠黄色痰や燥痰,肺癰の膿痰に使用される。 |
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清熱止嘔 |
胃熱による悪心・嘔吐を止める 。姜汁・竹筎・枇杷葉などと用いる。〔代表方剤:芦根飲〕。 |
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他 |
清熱利尿作用もある。 |
[注意点]脾胃虚寒証には慎重に使用する。
■ロッカクキョウ
鹿角膠
[基原]鹿角を煮詰めた膠。
[性・味]温・甘・鹹
[帰経]肝・腎
[用法]5~10g。烊化または沖服。丸・散・軟剤も可。
腎陽不足,精血虚損治療の重要薬。鹿茸より薬効が弱いが,止血作用を有する。
温補腎陽・ 補益精血 |
肝腎を補い,精血を滋養する。薬力は鹿角より優れるが, 鹿茸より劣る。腎陽不足や精血不足による虚労・羸瘦・陽萎・遺精・頻尿などに使用される。 |
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補血止血 |
止血作用があり,虚寒性の吐血・不正性器出血・鼻出血・血尿に使用される。また陰疽にも用いられる。〔代表方剤:陽和湯〕。 |
[注意点]陰虚火旺には禁忌。
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