授乳トラブル

 

「困った授乳トラブル。正しいケアでトラブル回避を。」

授乳のトラブルは育児にはつきもの。
多くのママが授乳時の何らかのトラブルを経験しています。特に一人目の子となると慣れないことばかりで、新米ママは不安を感じることでしょう。


母乳の出が悪かったり、出すぎて困ったり。母乳が詰まって乳房が張ったり、乳腺炎になって熱っぽくなったり、しこりが出来たり、痛んだり。


そんな、産後の授乳トラブルにも中医学が大いに役立ちます。
ここでは、産後によくある授乳トラブルについてご紹介します。

母乳が出にくい3つの理由とその対策

授乳

1)母乳が作られる量が少ない

産後、母乳が足りないと悩むママは多いものです。足りないこと=作られる量がすくないこと。母乳が出にくいと言うことは「足りてないから」で、それには、お母さんの体内で母乳の作られる量が少ないことが考えられます。母乳が足りないから出にくいと考えると当然のことですね。


漢方では、母乳は「血」と同源で、食べ物から作られると考えられていますので、母乳を作るためには、まず「食べること」が大切です。
母乳を作るためには…


  • 食べる量を増やす
  • 栄養価の高いタンパク質や良質の脂質を摂る
  • 山芋や黒豆、かぼちゃ、バナナ、蜂蜜など良質な甘みを摂る
  • 消化・吸収の良いスープ食にする

  • 漢方では、特に胃腸の弱い方は産後の「気血虚弱」による母乳不足を引き起こしやすいと考えますので、普段から貧血気味の方は注意するようにしましょう。


    調理方法としては、栄養が溶け込みやすく体内に吸収されやすいスープ料理がおすすめです。食べやすい工夫をしながら身体を養い母乳を作るようにしましょう。


    母乳不足の解消のポイントは「バランスよく吸収しやすい食べ物」「ストレスをためない」「よく眠る」ことです。


    2)赤ちゃんの吸いつきが少ない

    生まれたばかりの赤ちゃんは授乳初心者マークつき。一人目の赤ちゃんなら、お母さんも初心者です。赤ちゃんはおっぱいの飲み方が分からないし、ママもおっぱいの含ませ方が上手に出来なくて、思った以上に試行錯誤するものです。


    赤ちゃんの哺乳とママの授乳がスムーズになるように、リラックスして授乳にのぞみましょう。


    ☆赤ちゃんが哺乳しやすいPOINT1
    ママが前かがみにならないようにリラックスした姿勢で!

    ☆赤ちゃんが哺乳しやすいPOINT2
    赤ちゃんが口をあけるタイミングに合わせて乳首をふくませる

    授乳時に乳首だけを浅くくわえさせてしまうと、噛み傷などの乳首トラブルを招きやすいので、乳輪部分まで深くしっかり含ませるよう意識しましょう。

    また、お母さんの乳首より哺乳瓶の方がすきな赤ちゃんもいますので、「これが正しい」「こうじゃないといけない」という考えに囚われないことも大切です。


    3)乳管の詰まりがある

    乳管のつまりは、母乳の残ったものが炎症を引き起こす原因となるので、出し切ることが大切です。「母乳が残る → 張る → しこり → 痛み → 炎症」と進行していきますので、母乳の飲み残しは搾って捨てましょう。


    また、母乳の分泌を維持するためにも乳腺胞を空にする時間を作りましょう。基本的には1回の授乳で左右両方交互に授乳します。


    赤ちゃんがよく飲んでくれていても母乳が出すぎて多い場合には、手でしぼる方法と搾乳器を使う方法とがあります。始めのコツがつかみにくい内は、助産師さんに頼むのもおすすめです。


    乳管の詰まりやすい方の傾向として、「濃いものの食べ過ぎ」や「甘いものの食べ過ぎ」が考えられますので、食事にも注意をしてください。また中医学的には「瘀血」といった血流に問題があると考えられます。あまり詰まりが気になるようなら一度中医学の専門家に相談してみること良いでしょう。


    乳管の詰まりは乳腺炎にもつながりかねません。乳腺炎にならないためにも、授乳期にはこのようなことに気を付けていてください。


  • ママの手や乳房を清潔にしておくこと
  • 母乳をよく吸ってもらうこと
  • 疲れやストレスをためないこと
  • バランスの良い食事
  • 十分な睡眠
  • ドロドロ血流を避ける

  • 「中医学での乳腺炎の考え方」

    「乳腺炎」は、乳汁を分泌する乳腺で炎症が起きる病気で、乳腺や乳汁の通り道である乳管に細菌が感染して起こる「化膿性乳腺炎」と、乳腺の中に乳汁が溜まって滞ることから起こる「うっ滞性乳腺炎」の2種類があります。


    「化膿性乳腺炎」は、授乳時にできた赤ちゃんの噛傷や乳房に出来た傷から細菌が感染することにより起こります。悪寒、ふるえを伴う38℃以上の高熱や、乳房の腫れや激しい痛みを伴います。


    「うっ滞性乳腺炎」は、乳房が赤く腫れる・硬くなる・押すと痛みがある・乳首は熱感を伴う等の症状があります。まだ細菌感染を起こしてない状態で、細菌感染が起こると「化膿性乳腺炎」に移行する恐れもあるので、ここできちんとケアすることが望まれます。


    乳腺炎になりやすい方は、このような心当たりはありませんか?


  • 油濃いものの食べ過ぎ
  • 甘いものの摂りすぎ
  • 血流がよくない
  • 授乳時に赤ちゃんの噛み傷ができやすい

  • 母乳の残ったものが炎症を引き起こす原因となるので、授乳後は出し切るようにしましょう。しこりが出来てしまっても、赤ちゃんがよく飲んでくれる場合は、赤ちゃんの下顎をしこりができている部分に向けて授乳をします。


    もしも乳房がパンパンに張っている、授乳する時に痛みがあるなど自覚症状がる場合は、悪化させないためにも早めの対処が必要です。


    <母乳で育てたいママの味方「ゴボウシとタンポポ」>

    産後の母乳の出を良くするのに使われるのが「ゴボウシとタンポポ」です。「ゴボウシ」は、ごぼうの種のこと。「タンポポ」はタンポポの根のことです。どちらか1つだけ取り入れても母乳の出具合の変化が実感できます。


    また、どちらも炎症をとる働きがあるので、乳腺炎にも使われる生薬です。赤ちゃんのためにも品質管理をされた安全なものを煎じて飲むことが大切です。


    高熱が出る場合や乳腺炎を繰り返す場合など自己判断に頼らず、病院を受診することも必要です。中医学では体質と症状にあった煎じ薬を用い、場合によっては体質改善が望ましいこともありますので、中医学に詳しい専門家のいる薬局にご相談ください。

    「乳房マッサージ」と手当て

    乳房マッサージは母乳を出しやすくする以外にも、乳房全体の血液循環を促すことで乳腺が詰まらないように整える効果も期待できます。


    乳腺炎や乳首が切れるなどのトラブルを悪化させないためにも、産後から母乳育児に慣れるまでの期間には、セルフケアとして乳房マッサージを行うとよいでしょう。蒸しタオルで温めるだけでもマッサージ効果は得られます。


    マッサージを行う際は、入浴中やお風呂上りなど、体が温まっているときに行うとより効果的です。また、乳房が張っている場合や硬くなっている場合は、授乳前に軽くマッサージをしておくと、赤ちゃんが吸いやすくなります。


    注意点として、傷のある場合、乳腺炎気味の方や、炎症が起きている場合は、自己判断はするよりも助産師などの専門家の方に頼んでマッサージをしてもらうようにしましょう。


    乳房マッサージを行う際のポイント

    1
    ホットタオルで乳房をよく温める。
    2
    ホットタオルで乳房全体を包んで優しく大きく動かします。
    3
    しこりのある部分は特に優しく。
    4
    1回の時間は、10分~15分。


    公開日:2022-09-05
    更新日:2023-07-14

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