店舗お知らせ

三茶
2022/11/17

【漢方の紹介⑧】葛根湯

今回は、「葛根湯」のお話をします。

 

傷寒論の基本処方「桂枝湯」に葛根・麻黄が加わったのが葛根湯です。

どちらも「太陽病」を主治とします。

 

太陽病とは風寒の邪を表面から受け、

悪寒(ゾクゾクする寒気)・悪風(風にあたると寒い)・発熱が見られます。

 

桂枝湯は気血による体の自営作用と防衛作用を調整するはたらきが基盤になっていますが、葛根湯は筋肉の緊張を緩め、毛穴を開き、発汗・放熱する作用が強くなります。

 

葛根湯は風邪の漢方薬として有名ですが、悪寒・発熱にくわえ、

頭痛・首筋、背中の凝りが強く合われる時に使用されます。

三茶
2022/10/26

【漢方の紹介⑦】麦門冬湯

今回は、「麦門冬湯」のお話をします。

 

痰の切れにくい咳、気管支炎、気管支喘息に用いられます。

「空咳」に使用されることが多く、

痰はあまりない、あっても切れにくく、喉の潤いが不足している状態に適しています。

 

金匱要略では「大逆上気して咽喉が利せないもの。逆と止め気を下す。」と記されています。

 

大気上気とは、顔を赤くしてせき込むことです。

上気は気がつきあげてくる状態で、のぼせ感やフラツキが見られることがあります。

 

麦門冬、人参が津液不足を補い、

半夏が濁飲を去り、肺気を補い気道を開きます。

人参、大棗、粳米は胃気を補い、肺の虚を補う助けをします。

 

空咳の症状に使用することが多い印象ですが、実は胃の潤いを補う力もあり

胃陰が不足して胃の機能が落ちている状態にも使用できます。

三茶
2022/10/18

【漢方の紹介⑥】補中益気湯

今回は、「補中益気湯」の紹介をします。

 

補中とは中を補うこと、益気は気を益すの意味で、消化器系の機能低下を回復させる目標とした名称となっています。

元気がなく胃腸のはたらきが衰えて疲れやすい方に。

 

また胃下垂、肛門脱出、子宮下垂などには

升提という力で上に気を持ち上げるはたらきを持ちます。

 

疲れて元気がでない時に、広く使われれる漢方薬です。

三茶
2022/10/13

【漢方の紹介⑤】小青竜湯

今回は、「小青竜湯」のご紹介をします。

 

桂枝湯から大棗を除き、水毒を取り去る麻黄、半夏、細辛、五味子を加え、生姜を乾姜に代えたものです。

【麻黄、芍薬、乾姜、甘草、桂皮、細辛、五味子、半夏】

 

水毒症状(胃内停水、浮腫、尿利減少、眩暈、薄い痰、水っぱな)

を持っていた人が、風邪のような外感病にかかり、

咳、ぜいぜいという喘鳴を発した時に用いられます。

 

痰も鼻水も水様性のサラサラと透明な状態で、

ティッシュペーパーを大量に消費してしまうような状態に。

 

花粉症、鼻炎、風邪症状などに広く使用されます。

三茶
2022/10/10

【漢方の紹介④】酸棗仁湯

今回は「酸棗仁湯」のご紹介をします。

 

神経の高ぶり・興奮を抑え、質のいい睡眠を誘います。

生薬は気持ちを静め、リラックスさせてくれる生薬で構成されています。

 

酸棗仁・知母・川芎・茯苓・甘草

 

心身が疲れ、虚弱で貧血により疲労している状態に適しています。

血が不足しているために、胸のザワザワ、悶々、不安感があり、

気持が落ち着かない方に。

 

肝の”血”が不足し、機能が低下している状態ですと

睡眠へスイッチが上手く切り替わりません。

酸棗仁で”肝”を補い、知母・甘草で潤い、余分な熱をさまし、

茯苓・川芎で巡り、老廃物を取り除く。

 

精神的に疲労し、不眠、神経衰弱、動悸、めまい、夢が多いなどの症状がみられる方に使用します。